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中国の習近平国家主席は、経済のグローバル化のために一国主義や保護主義に抵抗する必要があるという認識を示した。トランプ氏の米大統領返り咲きを念頭に置いた発言とみられる。

中国の王文涛商務相が15日、ペルーの首都リマで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、習主席の演説を読み上げた。

習氏は、特定の国や指導者に言及せず、経済のグローバル化は「逆流」に直面していると指摘。「世界は新たな混乱と変化の時代に突入した。一国主義と保護主義が広がり、世界経済の分断が激化している」とし、「さまざまな口実によって経済協力を妨げ、相互依存の世界を孤立させることに固執すれば、 歴史の流れを逆転させる」と述べた。

自国の政策については「より独立した開放政策を実施し、世界に向けた高水準の自由貿易地域のネットワークを拡大することで、中国への門戸をさらに広げる」と言明した。

トランプ氏は大統領選挙中、中国からの輸入品に対し60%の関税を課すと表明していた。

APECアジア太平洋経済協力会議の首脳会議が15日から南米・ペルーで始まりました。石破総理大臣は、地域の持続可能な成長と繁栄の実現に引き続き貢献していく考えを示すとともに、日本が7年後の2031年の議長国に立候補することを表明しました。

APECアジア太平洋経済協力会議の首脳会議は、ペルーの首都リマで、石破総理大臣のほか、アメリカのバイデン大統領や中国の習近平国家主席らが出席して日本時間の16日未明、開幕しました。

この中で、石破総理大臣は、地域の持続可能な成長と繁栄の実現に引き続き貢献するため、ルールに基づく公正で透明性のある貿易や投資環境の維持・強化、質の高いインフラ投資の推進、それに、女性の経済的地位の向上と能力構築の3点を重視する考えを示しました。

その上で、日本が過去に2回、APECの議長国を務めた経験も生かし、7年後の2031年の議長国に立候補することを表明しました。

日本が2031年の議長国に決まれば、2010年の横浜以来の国内開催となります。

国際情勢が不透明感を増す中、石破総理大臣としては、APECの議長国に名乗りを上げることで、地域の発展に積極的に貢献する姿勢を示し、存在感を高めたい狙いがあるものとみられます。

議長国ペルー 自由な貿易を推進する必要性呼びかけ

アメリカのトランプ次期大統領の保護主義的な姿勢への警戒感が広がる中、議長国ペルーの大統領は「公平な競争の場を整え、分断を減らす必要がある」と述べ、自由な貿易を推進する必要性を呼びかけました。

21の国と地域が参加するAPECの首脳会議は、ペルーの首都リマで15日から2日間の日程で始まり、石破総理大臣やアメリカのバイデン大統領などが出席しています。

関税の引き上げを掲げるなど、アメリカのトランプ次期大統領の保護主義的な姿勢への警戒感が広がる中、議長国のペルーのボルアルテ大統領は会議の冒頭「私たちの目標は、誰もが参加できるために必要なツールを提供し、公平な競争の場を整えることにある。より深い理解と協力を進め、分断を減らす必要がある」と述べ、自由な貿易を推進する必要性を呼びかけました。

会議と並行する形で各国は2国間の会談を相次いで行っていて、このうち、中国の習近平国家主席は、タイのペートンタン首相との会談の中で「APECなど多国間の枠組みでの意思疎通を強化し、地域の平和や繁栄に積極的に貢献したい」と述べ、多国間の枠組みを尊重する姿勢を強調しました。

# APEC(リマ・首脳会議)

バイデン米大統領石破茂首相、韓国の尹錫悦大統領は15日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開催されているペルーの首都リマで会談した。世界の同盟関係に冷水を浴びせる可能性のあるトランプ次期米大統領の就任を控え、連携強化を目指す。

3首脳による顔合わせは今回が初めて。

バイデン大統領は会談の冒頭、「3カ国の協力が今後何年にもわたり、インド太平洋地域の平和と安定の基盤となると確信している」と述べた。

サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は14日、3カ国連携の制度化を目指し、「事務局」の設置が決定される見通しと明らかにしていた。

日米韓3か国は、南米ペルーの首都リマで首脳会談を行ったあと共同声明を発表し、3か国のさらなる連携強化に向けて調整を担う事務局を新設すると明らかにしました。

APECアジア太平洋経済協力会議の首脳会議のため、ペルーの首都リマを訪れているアメリカのバイデン大統領、石破総理大臣、それに韓国のユン・ソンニョル大統領は日本時間の16日朝およそ40分間、首脳会談を行いました。

会談後に発表された3か国の共同声明では「われわれがともにとる行動は、将来にわたって地域と世界の平和と安全を強化し続ける」とした上で3か国のさらなる連携強化に向けて調整を担う事務局を新設すると明らかにしました。

また、北朝鮮についてはウクライナとの戦闘のため、ロシアに兵士を派遣したとして「ウクライナへの侵略戦争を危険なまでに拡大する決定を下した」とロシアとともに強く非難しました。

そして、自衛権を行使するウクライナへの固い支持を表明しました。

さらに地域で覇権主義的な動きを強める中国を念頭に「インド太平洋の海域で現状を一方的に変更しようとするいかなる試みにも強く反対する」として、南シナ海での危険な海洋活動への反対を表明するとともに、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調しました。

バイデン大統領「3か国の協力 平和と安定の礎に」

アメリカのバイデン大統領は日米韓3か国の首脳会談の冒頭、東南アジアや太平洋島しょ国への支援や、北朝鮮とロシアの軍事協力などへの対応を挙げた上で「われわれはどのような問題であれ、ともに取り組んでいる」と述べ3か国の協力関係を評価しました。

そして、自身にとって3か国の首脳会談に出席するのはこれが最後になるとの見通しを示した上で「われわれは今、大きな政治的変化の時を迎えている。3か国の協力が、この先、何年にもわたってインド太平洋地域の平和と安定の礎になると心から信じている」と述べました。

石破総理大臣は訪問先のペルーで就任後初めてとなる日米韓3か国の首脳会談を行い、北朝鮮弾道ミサイルの発射を繰り返し、ロシアとの軍事協力を進めていることに深刻な懸念を共有し、緊密に連携して対応することを確認しました。

APECアジア太平洋経済協力会議の首脳会議のためペルーの首都リマを訪れている石破総理大臣は、日本時間の16日朝、およそ40分間、アメリカのバイデン大統領、韓国のユン・ソンニョル大統領と就任後初めてとなる日米韓3か国の首脳会談を行いました。

冒頭、石破総理大臣は「われわれを取り巻く安全保障環境は極めて厳しい。インド太平洋地域の発展と繁栄のためには日米同盟、米韓同盟、そしてその戦略的な連携が極めて重要だ。北朝鮮への対応はもちろん、さまざまな分野で連携を緊密にしたい」と述べました。
会談では、北朝鮮が先月、最新型のICBM大陸間弾道ミサイルだとするミサイルを発射するなど挑発行為を繰り返すとともに、ロシアとの軍事協力を進めていることに深刻な懸念を共有し、3か国で緊密に連携して対応することを確認しました。

その上で、3か国によるさらなる連携強化に向けて、調整を担う事務局を新設することを申し合わせました。

また、首脳らは覇権主義的な動きを強める中国も念頭に、力による一方的な現状変更の試みを含む地域情勢をめぐっても意見を交わし、協力を続けていくことで一致しました。

石破総理大臣は、訪問先のペルーで、アメリカのバイデン大統領と初めて対面での首脳会談を行い、日米同盟をさらに強化していくとともに、北朝鮮による核・ミサイル開発やウクライナ情勢への対応で今後も協力することを確認しました。

石破総理大臣とアメリカのバイデン大統領との日米首脳会談は、ペルーの首都リマで日本時間の16日 午前4時半から、およそ10分間行われました。

この中で、石破総理大臣はバイデン大統領の日米同盟に対するこれまでの貢献に謝意を伝えました。

その上で両首脳は、日米同盟をさらに強化していくとともに、日米韓の3か国など同志国のネットワークを発展させるため、今後も協力することで一致しました。

また、北朝鮮による核・ミサイル開発や拉致問題、それにロシアによるウクライナ侵攻への対応で、引き続き緊密に連携していくことを確認しました。

#日米(首脳会談・APEC

石破総理大臣は、訪問先のペルーで中国の習近平国家主席と初めてとなる日中首脳会談を行い、建設的で安定的な両国関係を構築していく方向性を確認しました。

また石破総理大臣は、アメリカのバイデン大統領と初めて対面での会談に臨んだほか、日米韓首脳会談では北朝鮮に対する懸念を共有し、緊密連携を確認しました。

記事後半では、今回の首脳会談のねらいなどについて担当記者が解説しています。

目次

石破首相 習近平国家主席と初の日中首脳会談
習主席「建設的で安定した関係を」
石破首相「大局的な観点から意見交換できた」
バイデン大統領と対面で初会談 北朝鮮への対応など確認
初の日米韓首脳会談 北朝鮮に懸念 3か国で緊密に連携を
石破首相 APEC 2031年の議長国に立候補表明
【解説 動画】日米・日米韓・日中 一連の首脳会談 ねらいは

石破首相 習近平国家主席と初の日中首脳会談

APECアジア太平洋経済協力会議の首脳会議のため、ペルーの首都リマを訪れている石破総理大臣は、日本時間の16日午前7時すぎから30分余り、中国の習近平国家主席と初めてとなる日中首脳会談を行いました。

冒頭、石破総理大臣は「日中両国は地域と国際社会の平和と繁栄に重要な責任を有している。両国の間には発展に向けた大きな可能性が広がっていると同時に、多くの課題や懸案が存在している」と指摘しました。

その上で「両国が『戦略的互恵関係』の包括的な推進と、建設的かつ安定的な関係の構築という大きな方向性を共有することは国際社会にとって重要な意義がある。習主席との間で率直な対話を重ねる関係を築いていきたい」と述べました。

そして「日中関係を安定的に進めていくため国民の納得と共感が不可欠だ。日中関係が発展してよかったと国民が実感できる具体的な成果を双方の努力で積み上げていきたい」と強調しました。

会談では、両国が「戦略的互恵関係」を推進し、建設的で安定的な関係を構築していくことを確認したものとみられます。

一方、石破総理大臣からは、東シナ海の情勢や、中国軍が日本周辺で活動を活発化させていることなどに懸念を伝えたものとみられます。

また、東京電力福島第一原発にたまる処理水の海洋放出をめぐり、先に両国が日本産水産物の輸入再開で合意したことを踏まえ、早期に実現するよう求めたものとみられます。

習主席「建設的で安定した関係を」

中国の習近平国家主席は、会談の会場に入ってきた石破総理大臣に「こんにちは」と声をかけて迎えたあと握手を交わし、報道陣の写真撮影に応じました。そして会談の冒頭で、習主席は「お会いできてうれしく思う。改めて当選おめでとうございます」と述べました。

その上で習主席は「国際情勢や地域情勢が大きく変化する中で、中日関係は改善と発展の重要な時期にある。中国は、日本と共に、互いにパートナーとなり、脅威とならないという重要な共通認識を守って、戦略的互恵関係を包括的に進め、新しい時代の要求にあった建設的で安定した中日関係を構築したい」と述べました。

また、中国外務省の発表によりますと、習主席は会談で「歴史や台湾などの重要な原則の問題を適切に処理するとともに意見の隔たりを建設的に管理し 両国関係の政治的な基礎を守ることを望む」と述べたうえで人的・文化交流を深めるべきだと強調しました。

さらに、「両国は協力とウィンウィンの関係を堅持して世界の自由貿易体制とサプライチェーンの安定を守るべきだ。世界的な問題や地域の問題で協力を強化して真の多国間主義を実践し、ともに地球規模の課題に対処すべきだ」と述べたということです。

そして、東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出をめぐり、これまでどおり「汚染水」という表現を使いながらも、先に両国が合意した中国による日本産水産物の段階的な輸入再開について、「両首脳はハイレベル対話の仕組みを活用し、合意を早急に行動に移すことで一致した」としています。

石破首相「大局的な観点から意見交換できた」

石破総理大臣は会談のあと記者団に対し「『戦略的互恵関係』の包括的な推進と建設的かつ安定的な関係を構築するという大きな方向性で確認を見た」と明らかにしました。

そして、両国の外相の相互訪問を行うとともに、日中ハイレベル経済対話などを実現するため調整を進めていくことを確認しました。

その上で、東京電力福島第一原発にたまる処理水の海洋放出をめぐり、先に両国が日本産水産物の輸入再開で合意したことについて「今後きちんと合意を実施していくことを確認した。習主席自身が言及したことは非常に重いと考えている」と述べました。

さらに日本産牛肉の輸出再開とコメの輸出拡大についても習主席から言及があったと説明しました。

一方、東シナ海情勢や中国軍の活動の活発化への懸念を伝えたことも明らかにし「さまざまな意見の相違はあるが、今後も会談を重ねていくことで一致した」と述べました。

また、台湾情勢をめぐり最近の軍事的な動向も含めて注視していると伝え、台湾海峡の平和と安定が国際社会にとって極めて重要だと強調しました。

日本人学校に通う男子児童が登校中に襲われて死亡した事件をめぐっては、中国に滞在する日本人の安全確保を求めたのに対し、習主席は「日本人を含むすべての外国人の安全を確保する」と応じたと説明しました。

さらに石破総理大臣は、中国で拘束されている日本人の早期解放を求めました。

そして「大局的な観点から意見交換ができたと思う。非常にかみ合った意見交換だったという印象だ。首脳間を含むあらゆるレベルで頻繁に意思疎通や往来を図り、課題と懸案を減らし協力と連携を増やしていくため、互いに取り組みたい。首脳どうしの会談をする重要性を改めて強く認識した」と述べました

バイデン大統領と対面で初会談 北朝鮮への対応など確認

石破総理大臣は、訪問先のペルーで、アメリカのバイデン大統領と初めて対面での首脳会談を行い、日米同盟をさらに強化していくとともに、北朝鮮による核・ミサイル開発やウクライナ情勢への対応で今後も協力することを確認しました。

石破総理大臣とアメリカのバイデン大統領との日米首脳会談は、ペルーの首都リマで日本時間の16日午前4時半からおよそ10分間行われました。

この中で、石破総理大臣はバイデン大統領の日米同盟に対するこれまでの貢献に謝意を伝えました。

その上で両首脳は日米同盟をさらに強化していくとともに、日米韓の3か国など同志国のネットワークを発展させるため、今後も協力することで一致しました。

また、北朝鮮による核・ミサイル開発や拉致問題、それにロシアによるウクライナ侵攻への対応で、引き続き緊密に連携していくことを確認しました。

初の日米韓首脳会談 北朝鮮に懸念 3か国で緊密に連携を

石破総理大臣は、日本時間の16日朝のおよそ40分間、アメリカのバイデン大統領、韓国のユン・ソンニョル大統領と就任後初めてとなる日米韓3か国の首脳会談を行いました。

冒頭、石破総理大臣は「われわれを取り巻く安全保障環境は極めて厳しい。インド太平洋地域の発展と繁栄のためには日米同盟、米韓同盟、そしてその戦略的な連携が極めて重要だ。北朝鮮への対応はもちろん、さまざまな分野で連携を緊密にしたい」と述べました。

会談では、北朝鮮が先月、最新型のICBM大陸間弾道ミサイルだとするミサイルを発射するなど挑発行為を繰り返すとともに、ロシアとの軍事協力を進めていることに深刻な懸念を共有し、3か国で緊密に連携して対応することを確認しました。

その上で、3か国によるさらなる連携強化に向けて、調整を担う事務局を新設することを申し合わせました。

また、首脳らは覇権主義的な動きを強める中国も念頭に、力による一方的な現状変更の試みを含む地域情勢をめぐっても意見を交わし、協力を続けていくことで一致しました。
石破首相 APEC 2031年の議長国に立候補表明

APECアジア太平洋経済協力会議の首脳会議は、ペルーの首都リマで、石破総理大臣のほか、アメリカのバイデン大統領や中国の習近平国家主席らが出席して日本時間の16日未明に開幕しました。

この中で、石破総理大臣は、地域の持続可能な成長と繁栄の実現に引き続き貢献するため、
▽ルールに基づく公正で透明性のある貿易や投資環境の維持・強化
▽質の高いインフラ投資の推進
▽女性の経済的地位の向上と能力構築
の3点を重視する考えを示しました。

その上で、日本が過去に2回、APECの議長国を務めた経験も生かし、7年後の2031年の議長国に立候補することを表明しました。

日本が2031年の議長国に決まれば、2010年の横浜以来の国内開催となります。

国際情勢が不透明感を増す中、石破総理大臣としては、APECの議長国に名乗りを上げることで、地域の発展に積極的に貢献する姿勢を示し、存在感を高めたい狙いがあるものとみられます。

【解説 動画】日米・日米韓・日中 一連の首脳会談 ねらいは

現地で取材にあたっている政治部と国際部の記者に中継で聞きました。

(動画は4分53秒 データ放送ではご覧になれません)

Q.アメリカのトランプ氏の再登板を前にした一連の会議。日米、日米韓の会談のねらいは?

政治部・岩澤千太朗記者

石破総理としては、これまでの政権が重視してきた日米や日米韓の緊密な連携を引き継ぎ、抑止力や対処力を、より強化していきたい考えです。と言いますのも、北朝鮮が、弾道ミサイル技術を向上させているのに加え、ウクライナとの戦闘参加など、ロシアとの急接近も指摘されているからです。政府内からは「ロシアが、核やミサイルの技術を北朝鮮に提供するのではないか」という懸念も出ていまして、アメリカの政権交代もにらんで、これに対じする枠組みを確固たるものにしておきたいというねらいがあります。

Q.そして日中。山積する課題に進展はありそうか?

日中間の課題や懸案は、歴代の総理大臣による取り組みを振り返ってみても、初めての会談で大きく前進が見込めるほど簡単ではないと言えます。石破総理としては、まずは主張すべき点は主張しつつも、経済など協力できる分野での連携を模索するこれまでの外交方針を踏襲し、相手の出方を探ることになると思います。

一方で、ある外務省幹部は「中国は、トランプ政権の発足で、アメリカとの競争が激しくなるのを見込んで日本に接近してきている。今が関係改善を図るチャンスではないか」と話しています。こうした国際情勢が追い風となるのか、このあと石破総理が会談の手応えをどのように説明するかに注目したいと思います。

Q.トランプ氏との会談を調整中とのことだが、最新の状況は?

現時点では確定していませんが、日本側は、南米での一連の日程のあと、アメリカに立ち寄り、トランプ氏と会談できないか、打診しています。ただ政府関係者の1人は「まだ回答はないが、会談を要請している各国に断りの連絡が入り始めているようだ」と明かしています。

また、外務省幹部は「8年前の安倍元総理の時とは状況が違い、落ち着いた環境で会談した方がよいかもしれない」と話していまして、政府は、今回、実現しない場合でも、引き続き早期の機会を探ることにしています。

Q.中国側はどう出てくる?

中国総局・須田正紀記者

中国は、石破政権の発足をきっかけに共通の利益を拡大する「戦略的互恵関係」を改めて確認し、日本との関係安定化につなげたいとみられます。そうした意向をより加速させているのが、不確実性を増す中国とアメリカの関係。中国製品に高い関税を課すと訴えてきたトランプ氏が再び大統領となることが決まり、「貿易戦争」と呼ばれた事態の再発への懸念が高まっています。

さらに、中国国内の景気の先行きはいまだ見通せないままということもあり、外交関係者の間では、中国はせめて日本との関係は安定させる方向に向かってもおかしくないという見方が出ています。

しかし、話を聞いた中国の専門家は、特に中国が「核心的利益」とする台湾や、アメリカとの関係をめぐり、日中の間で根本的なズレがあると話していました。今回の会談は、中国側にとっては関係の安定化を念頭に置きながらも石破政権の出方をじっくり見極める場になりそうです。

#日中(首脳会談・APEC

石破総理大臣は訪問先のペルーでマレーシアのアンワル首相と会談し、安全保障をはじめとした幅広い分野で協力を進めることで一致しました。

石破総理大臣とマレーシアのアンワル首相との会談はペルーの首都リマで日本時間の16日未明、およそ20分間行われました。

冒頭、石破総理大臣が「来年のASEAN東南アジア諸国連合の議長国であるマレーシアと緊密に連携したい」と述べたのに対し、アンワル首相は「日本との関係を重視している」と応じました。

そして、両首脳は、同志国の軍隊に防衛装備品を提供するOSA=「政府安全保障能力強化支援」の枠組みの活用や、自衛隊とマレーシア軍との共同訓練などを通じて、安全保障をはじめとした幅広い分野で協力を進めることで一致しました。

その上で、海洋進出を強める中国も念頭に、地域や国際社会の課題をめぐっても意見を交わし、さまざまな課題に連携して対応していくことを確認しました。