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アメリカのバイデン大統領は、東南アジアで開かれる一連の会議に出席するためカンボジアを訪れていて、12日、ASEANとの首脳会議に出席しました。

この中でバイデン大統領は、アメリカとASEANの関係について「包括的戦略パートナーシップ」に格上げするとしたうえで「ASEANはわれわれのインド太平洋戦略における要だ」と述べて、経済や安全保障の分野などでの関係を強化していく考えを示しました。

ホワイトハウスによりますと、アメリカはASEAN各国で、EV=電気自動車の普及を図るため設備投資などを進めていくことや、違法漁業への取締りの強化など海洋協力を進めていくことで一致したということです。

ASEANは同様のパートナーシップを去年、中国とも結んでいて、バイデン政権としては、東南アジアで影響力を強める中国に対抗したい考えです。

会議ではアメリカのバイデン大統領があいさつの中で議長国であるカンボジアについて誤って南米の国「コロンビア」と述べる場面がありました。

バイデン大統領は一連の訪問に向けた出発前にも同じ言い間違えをしていて、その際には、直後に自分自身で気づき、言い直していました。

バイデン大統領はアメリカ大統領としては史上最高齢の79歳で、こうした言い間違えや事実関係の混同があるたびに、野党・共和党などからは記憶力の衰えを指摘する声があがっています。

ASEAN東南アジア諸国連合との首脳会議などに出席するため、カンボジアを訪れている岸田総理大臣は13日午前、ベトナムのファム・ミン・チン首相と会談しました。

会談では、ロシアのウクライナ侵攻をめぐって意見が交わされ、岸田総理大臣は、ロシアによる核兵器の威嚇や使用は容認できないとの立場を伝え、連携して国際社会に訴えたいと呼びかけました。

これに対し、ファム・ミン・チン首相は、核なき世界の実現に向けて協力していきたいと応じました。

また両首脳は、中国を念頭にした東シナ海南シナ海情勢、それに北朝鮮情勢への対応でも、引き続き、両国で協力していくことを確認しました。

今回の首脳会談は当初、12日に行われる予定でしたが、葉梨・前法務大臣の辞任の影響で岸田総理大臣の現地到着が遅れたことなどから、いったん取りやめとなり、再調整の結果、13日に行われました。

岸田総理大臣は、訪問先のカンボジアで日本時間の13日午後、地域の安全保障について意見を交わす「東アジアサミット」に出席し、アメリカのバイデン大統領や中国の李克強首相、それにロシアのラブロフ外相も参加しました。

この中で岸田総理大臣は、中国について、沖縄県尖閣諸島周辺など、東シナ海で日本の主権を侵害する活動を継続・強化しているなどと名指しで批判しました。

また、ことし8月に中国軍が発射した弾道ミサイルの一部が日本のEEZ排他的経済水域の内側に落下したことに触れ、台湾海峡の平和と安定も、地域の安全保障に直結する重要な問題だと指摘しました。

さらに、香港情勢や新疆ウイグル自治区の人権状況に対する懸念や南シナ海への海洋進出、地域における経済的威圧への強い反対を改めて表明しました。

一方、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐっては、力による一方的な現状変更の試みは世界中のどこであっても認められず、核兵器による威嚇や使用は人類に対する敵対行為だとして、国際社会全体で明確なメッセージを出す必要があると訴えました。

このほか、北朝鮮が高い頻度で弾道ミサイルの発射を繰り返していることは、国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦であり看過できないとして、国際社会が一体となって国連安全保障理事会の決議を完全に履行させることが不可欠だと主張しました。

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