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米連邦準備理事会(FRB)のバー副議長(金融規制担当)は6日、2月28日付で退任する意向を表明した。FRB理事には留まる。

バー氏は声明で、トランプ次期大統領に直接言及しなかったものの、自身のポストを巡る法廷闘争のリスクが「FRBの使命の妨げとなる可能性」を避けたいと説明した。

米紙ワシントン・ポストは昨年10月、次期政権がバー氏の副議長降格を検討していると報道。バー氏は11月に議会で2026年7月までの任期を全うする意向を表明したが、その後に考えを変えたとみられる。

関係筋によると、バー氏はトランプ氏が自身を解任しようとした場合に備え、個人としての立場で法律事務所アーノルド・アンド・ポーターに法的助言を求めていた。

バー氏は6日、ロイターに対し、この報道内容を認めた上で、自身の弁護士もFRBの顧問弁護士も、最終的には法廷闘争に勝てるだろうが、それは「非常に不愉快な事態」にもなるとの意見で一致したと述べた。

バー副議長の退任前倒しにより、トランプ次期大統領には新たな銀行規制担当者を任命し、より業界寄りの政策に着手する道が開けた。トランプ氏は銀行規制について詳細をほとんど提案していないが、経済成長を後押しするため、規則削減を最優先課題としている。

ただ、バー氏が理事留任を決めたことで、副議長の後任選びでトランプ氏の選択肢は限られる可能性がある。現在、FRBの7人の理事ポストには2026年まで空席がないため、トランプ氏は現在の地区連銀総裁の中から新たな金融規制担当者を選ぶか、そのうちの1人を別のポストに異動させて空席を設ける必要がある。

FRBは声明で、副議長の後任が承認されるまでは主要な規制策定に取り組むつもりはないとした。

アナリストらの間では、バー氏に批判的だったボウマンFRB理事が有力後任候補になるとみられている。また業界関係者は、トランプ氏が大統領1期目に指名したウォラーFRB理事も候補になるという見方を示す。

スタイフェルの米政策チーフストラテジスト、ブライアン・ガードナー氏はメモで「バー氏の退任はやや予想外であり、銀行セクターにとってはプラスだ」と指摘した。

バー氏は、銀行の国際的な資本規制(バーゼル3)最終化など大手銀行に対する様々な規制強化を推し進めた。だが銀行業界はバー氏の取り組みに激しく反対し、資本規制強化案を巡って提訴もちらつかせたため、規制当局者の間で足並みがそろわず、規制案の策定作業は停滞していた。バー氏の早期退任で規則案は完全に棚上げされる可能性がある。

アメリカのFRB連邦準備制度理事会は、金融規制の強化を進めてきたバー副議長が辞任すると発表しました。金融規制の緩和を訴えるトランプ次期大統領との対立を避けるねらいがあると見られています。

FRBは6日、金融機関の監督や規制を担当するバー副議長が来月末で辞任すると発表しました。

2022年7月に就任したバー副議長は、アメリカでおととし銀行破綻が相次いだことを受けて金融機関に対する規制の強化などを進めてきました。

しかし、今月20日に就任するトランプ次期大統領は金融規制の緩和を訴えています。

バー副議長は声明の中で「この役職は、FRBによる金融システムの監督・規制に対する透明性や説明責任を高めるために設けられた」としたうえで、「この役職をめぐる争いのリスクはわれわれの使命から目をそらすことになりかねない」としていて、トランプ氏との対立を避けるねらいがあることを示唆しました。

バー副議長は今後、理事としてFRBにとどまるとしています。

#FRB(バー副議長退任・2月28日付)

#米経済(250107)

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