自民党政治は、米ソ冷戦時代に日本の復興と発展を、智恵と努力を活用して成功させた。 この中心となった政治家たちは、明治生まれで苦労し、 自分のためでなく国や社会のために生きるという信条を持っていた。
私の人生の師前尾繁三郎、椎名悦三郎、保利茂等々の人物は、 保守政治家であっても、革新政党の政治家から尊敬されていた。 この自民党保守政治家たちは、昭和50年代に死去していく。 明治建国の思想と信条を身につけた人たちが、日本中から消えていくと同時に、 政治の世界でも経済の世界でも自分中心の拝金主義者達が指導者となった。 こう考えると、「国づくり」のためには、まず「人づくり」から始めなければならない。 その「人づくり」は、一朝一夕にできるものではない。
私は時々「人間とは何か」ということ、「自分とは何か」ということを、 子供の頃から考え悩むことがあった。 鏡に映る自分の顔をみて、鏡の自分も本当の自分を見ているんだなと感じていた。 自分を見る自分という発想を習慣として73年の人生を過ごしてきた。 それでも自分がわからない。
多くの人々は、自分がわからないまま生きていると思う。 自分をわかることが何よりも難しいことだが、何よりも大事なことは「自分をわかろう」とすることだ。 自分を知ろうという努力こそ貴いのである。 この発想が政治・経済・マスコミ有識者にないことが問題なのである。 「人間とは何か」「自分とは何か」の問題は信仰につながる。 信仰を指導するのが宗教である。 この宗教に関わる人々の多くの堕落が、現代の世界的混迷の原因である。 宗教家、マスコミ、財界人、そして政治家など格好の良いことを言う人ほど問題の存在だ。
最後のところですが、これが人間最大の罪で、だからこそこのブログで繰り返し警告しています。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20080529#1212047262
「それでも自分がわからない」のは「自分」と「自分を見る自分」が分かれているからで、平野さんの場合、理屈で方向性はわかっているのだから、歴史小説などを読む際、会心の文章に出会ったときに、己れを捨てて感情を一致させるようにすれば次第に意識が内に入るようになってきます。そうすると、いずれ自分を掴めます。
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20080525#1211717387