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平野貞夫の国づくり人づくり政治講座 第25回 《『政(まつりごと)の心』を求めて》 第12回 ―「 日本の議会政治の反省(4) 」―

まず、西欧人は議会で嘘つかないことを前提に政治をやっていることだが、日本人はこれとまったく反対である。日本には「嘘は方便」という言葉があるくらい、言葉に対する 責任感 が少ない。あいまいな表現で、相手だけでなく自分を誤魔化す性格を持っている。

無原則に行き当たりばったりに行動して、その言い訳に嘘をつく。これが一般の日本人だ。

日本では国家権力に関わる人たちが、巧妙に真実を言っている形で嘘を上手に言って、支配するという伝統がある。

戦後の憲法でつくられた日本の国会制度は、世界中でもっとも優れたものである。しかし、それは形式だけのこと。明治生まれの人たちが活躍していた昭和50年代までは、まあまあ、それなりに機能していた。その後の日本の国会は問題だらけである。

政治家とか役人が出世していくために、社会や国会の中で如何に上手に嘘をつくか、国民を騙すか。この能力が出世していくための、競争に勝つために必要となったのが日本社会の実態である。

何のために役人になるのか、企業人となるのか政治家になるのか。それは国家社会のためとかというものでなく、もっぱら自分が他人より贅沢な暮らしをすることに価値観がある。自分の利益のために他人と競争して犠牲にするという風潮が日本人の主流となっている。

平成12年4月に森自公政権ができ上がって以来、日本では議会政治はほとんど機能していない。自・公という国会内の多数に目をとられ、国民の英知を吸い上げる能力を失った。その結果が自民党の崩壊である。