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宮田秀明 「人材力」を伸ばす国、伸ばせない国

大学院の1年生はもう8月から会社説明会インターンシップに飛びまわっている。卒業の1年半以上前から始まるのである。そして、終わるのは来年の5月頃だから、就活は10カ月間続く。就活は授業よりも研究室での研究や勉強よりも優先順位が上だから、その間、この学年の学生は研究も教育も全く進まない。2年間の大学院修士課程の期間のうち約半分は就活に費やしてしまっているのだ。

 この2、3年、私の研究室では、4年生の卒業論文の方が、大学院生の修士論文より優れている例が目立ち始めた。4年生の時、立派な卒業論文を書いた学生が約1年間の就活で変になってしまっているのだ。簡単に言えば、要領が良くなり、小手先で解決しようとする傾向が強くなってしまうのだ。