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【政治部遊軍・高橋昌之のとっておき】小沢氏の政治資金問題(上) 本格政権を目前にしたハードル

 しかし、その前に小沢氏は今、政治資金の問題で重大な局面に立たされています。問題とは、小沢氏の政治資金管理団体陸山会」が平成16年に行った土地購入をめぐり、小沢氏の元公設秘書で会計事務担当者だった石川知裕衆院議員が、政治資金収支報告書に土地代金の原資4億円を記載していなかったというものです。

【政治部遊軍・高橋昌之のとっておき】小沢氏の政治資金問題(下) 意地の特捜部、対決姿勢の小沢氏

 この問題をめぐっては、企業の「ダミー団体」と認識していたか、あるいは現行法でこれを有罪とできるのかなど、法律の専門家からも法的問題を指摘する声が上がっていました。当時は自民党政権政権交代の可能性が高まっていたことから、「国策捜査」との批判も出ました。この事件は最高裁までもつれ込む可能性があり、判決が確定するまでには何年かかるかわかりません。


 「そこで特捜部が小沢氏の悪質さを暴くために、次に目をつけたのが平成16年の土地購入における不記載だった」と、検察の内部事情にも詳しいある関係者は語ります。その関係者は今回の捜査について「特捜部の意地とメンツをかけた闘いだ」といいます。


 「小沢氏という大物政治家相手に、これだけ大掛かりな捜査をやって世間の関心を集め、最終的に罪を問えなければ、検察の信頼は失墜するほか、政権の中心にいる小沢氏からはどんな仕返しを受けるかわからない。何としても小沢氏を政治的に抹殺しなければならないと、検察は勝負に出た」というのが、その関係者の解説です。

 小沢氏に近い関係者は「意図的に小沢氏を政界から抹殺しようという特捜部の捜査とは徹底的に闘うつもりだろう」と、小沢氏の心境を解説します。小沢氏は一連の家宅捜査が行われた13日夜、名古屋市内で開かれたパーティーで「私どもは法に触れるようなことをしたつもりはない」と強調しました。その熱のこもった語りぶりは、選挙演説以外の普段のあいさつではみられないもので、私も「小沢氏は検察と闘うつもりだ」と思いました。


 小沢氏は私が番記者をしていたころから、政治資金については「(自民党時代に)たくさん悪い例をみてきたから、おれはそんなことは絶対にしない。政治資金で一番大事なことは透明にすることだ。そのうえで国民の判断を仰げばいい。おれぐらい政治資金を透明にしている政治家はいないだろう」と、常々自信たっぷりに語っていました。

 今回の問題は、土地購入にあてられた原資4億円が、政治資金収支報告書に記載されておらず、その点で問題があったことは間違いありません。ただ、政治資金収支報告書の記載ミスや不記載はたびたびあることで、その修正を行えば普通は罪を問われることはありません。やはり、問題は原資の4億円に検察が描いているような悪質性があるかどうかです。