上海株価がニューヨーク株式市場を先導するケースが目立ち始めた。
上海株価のグラフを2カ月後ろにずらすと、ニューヨーク株の動向に重なってくる。
なぜそうなったのか。理由の一つは、中国へのホットマネーの流出入規模の巨大化である。
このホットマネーの正体はほかならない、中国の国有企業の香港やカリブ海の租税回避地(タックス・ヘイブン)の出先という説が有力だ。国有企業は、北京の株価政策や為替対策に応じて上海で売り買いする。
より決定的な要因は、共産党指令による株価対策である。中国の株式バブル崩壊は、07年10月中旬の全国党大会終了直後から始まった。
こうみると、中国の商業銀行は銀行というよりも投資ファンドに近い。あるいは投資ファンド部門を持つ総合金融機関とでも言うべきか。融資を受けた国有企業はそこで安心して株や不動産に投資し、値上がり益を得ていく。