日銀が金融機関保有株の買い入れ終了、買入れ額は累計3878億円
「今後景気が緩やかに回復し物価の下落幅が縮小していく経済の姿について、政府の認識と大きな相違はない」
今回の展望リポートで日銀は、リーマンショックによる危機からは脱出したものの、世界経済・日本経済ともに大きな構造変化の課題に直面していると指摘。新興国経済のウエートが大きくなり資源価格に大きな影響を及ぼす点や、先進国の公的債務残高が未曾有の水準に達している点、わが国で少子高齢化により国内需要減少や実質成長率、生産性の引き上げが重要な課題になっている点を挙げた。
こうした課題を念頭に置きながら先行きの経済情勢を展望。「2010年度の成長率は潜在成長率を上回る水準になると見込まれ、2011年度にはさらに高まる見通し」と予想した。物価面でも1)需給バランスの改善、2)中長期的な予想物価上昇率の安定的推移 3)国際商品市況の緩やかな上昇──を背景に物価下落幅が縮小していくと見ている。
こうした景気・物価の先行き改善見通しにもかかわらず「極めて緩和的な金融環境を維持してく考え」を示した。