【揺らぐ「小沢王国」】(上) 建設業者も“心”離れ…「メリットなかった」
岩手県奥州市水沢区(旧水沢市)にある小沢の実家から西へ20キロ余り。焼石(やけいし)連峰の山あいで建設が進む胆沢(いざわ)ダムの地元工事関係者は、ため息まじりにこう続ける。
「胆沢ダムも大きな工事は大手(ゼネコン)ばかり。地元業者はほとんど潤っていない。みんなで小沢さんの選挙を応援してきたが何の見返りもなかった」
神奈川県から車で来たという60代の男性が「これが小沢ダムか。すごいね」と話しかけてきた。
奥州市の建設会社幹部は「小沢先生を支援してきたけどメリットは何もなかった。私腹を肥やしているだけだし、今度の参院選は白紙だ」と手厳しい。別の建設会社社長は「小沢先生は地元にほとんど帰ってこないし、地元のために何かしてくれたことは一切ない。この不況では、これまでのように選挙ポスター張りなどに人を出す余裕もない」と、「小沢選挙」に距離を置きたい心情を吐露する。