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【次代への名言】周五郎と周平編(17)

 作家として独立したころの心境を、藤沢周平はこうつづっている。≪私の小説が、大衆小説のおもしろさの中の大切な要件である明るさと救いを欠いていることは自明だった。(中略)鬱屈(うっくつ)だけをうたうのではなく、救済された自分もうたうべきだった。それが自分と読者に対して正直であり得る唯一の方法だった≫