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「成長戦略」と「景気対策」が日本をダメにする

「1995年以降、日本の成長は止まっているのです。それでも経済成長を目指す政策を続ければ、かえって国民生活は低下して財政は悪化する。老人が霜降りステーキを食べても、いまさら筋肉がついたり身長が伸びたりするわけではありません。胃もたれコレステロール値の上昇といった副作用の方が気になります。政治家はキャッチフレーズのように成長を掲げますが、暮らしを豊かにする答えはそこにはありません」

「1人当たりGDPを見ると、日本の現状が分かります。95年まで日本は世界のトップクラスでした。そこからは下降の一途。米国、ドイツ、フランス、英国といった日本に比肩しうる国々は1.5倍から2倍に増やしたものの、日本は実質でも1%程度しか伸びていません。ドルベースでの絶対額では約1割も低下しています。
経済学の基本的な方程式では、経済成長率は労働力と資本ストック(貯蓄率)と技術水準の改善度合で決まるとされています。日本は人口が急激に減り、貯蓄率は2〜3%と先進国中最低レベル。技術の改善といっても、例えば90年代の米国経済におけるIT技術の寄与度は0.1%でした。テクノロジーでは追いつかない。日本の成長は理論的に不可能なのです」

景気対策といえば土木建設系の公共事業になりますが、東名の横に第2東名をつくったり、輸送ニーズがない僻地に高速をつくったりしても、産業効率は改善されません。95年以降、緊急経済対策として226兆円ものカネが投下されましたが、景気は良くなっていません。ムダなところに投資して、なけなしの財源を浪費したのです。雇用対策が必要というなら、直接、失業者にカネを渡す方が合理的。鉄鋼やセメントなど余計なものに使わなくて済むので、税金を節約できます」

成熟日本への進路 「成長論」から「分配論」へ (ちくま新書)

成熟日本への進路 「成長論」から「分配論」へ (ちくま新書)

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20100708#1278589974
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20100419#1271687725