「原田検事総長、法務省事務次官、古田刑事局長が後藤田(正晴・元官房長官)事務所を訪ね『このままでは法務・検察が潰れてしまう』と泣きをいれた。」
中曽根政権を支えカミソリと畏怖された後藤田元官房長官が動いたのだろう。官邸はモミ消しに加担する。
「原田検事総長と森山法務大臣は記者会見を開き『検察に裏金問題というのは存在しない』と述べた。鈴木宗男議員や保坂展人議員が(国会の)法務委員会で追及したが、政府側の答弁は「裏金は存在しない」。国民に大ウソをつき続けたのである。政権交代しても政府の答弁は同じ」。
「政権と取引きすれば裏金問題を事件にできない。小泉政権は検察に大きな貸しを作った」
“貸し”は後の政権にも引き継がれた。“借り”のある検察は官邸の意向に従わざるを得なかった―
「小沢(一郎)氏の政治資金規正法違反事件をめぐる捜査は法務・検察の考えではない。大久保秘書の逮捕・起訴(昨年3月)は麻生政権が検察を利用したものだ。選挙に影響を与えるような時期に強制捜査をしないのが検察の不文律だった(にも関わらず小沢氏の秘書を逮捕・起訴した)」。
「私を(国会の)法務委員会に証人として呼んでほしい。すべてを明らかにする」。 三井氏は幾度も繰り返した。
郵便不正事件で主任検事が物的証拠を改ざんするという前代未聞の不祥事を起こした検察。またもや政権に大きな貸しを作った。“仙谷官邸”がこの貸しを利用しないはずがない。
今回の検察不祥事を仙谷官房長官が知ったのは検察審査会の議決前だった。検察審査会は有権者の中から選ばれたとは言え、議論では検察・法務の影響を色濃く受ける。審査会の議決は強制起訴。仙谷氏の政敵、小沢一郎が屠られた経緯である。