スティーブ・ジョブズと禅と荘子。
ジョブズ氏の革新に影響を与えた思想とは―― 日本の禅僧と長年の交流
ジョブズ氏は若いころインドに旅して仏教に触れ、1970年代にカリフォルニア州の禅センターに通って、日本出身の禅僧、故・乙川弘文氏と交流を深めたといわれる。
乙川氏はジョブズ氏の結婚式を司り、86年にジョブズ氏がアップルのCEOを解任されて設立した「ネクスト」の宗教指導者にも任命されるなど、2人の交流は長年にわたって続いた。
ジョブズ氏と乙川氏との交流は、フォーブズから近く出版される劇画小説「The Zen of Steve Jobs(スティーブ・ジョブズの禅)」に描かれている。
「カリフォルニア州にあるアップル本社の社員食堂には、メニューに手打ちそばがあるんですが、ジョブズ氏がシェフの一人に命じて、東京・築地のそば店に修業に行かせたほど。本社近くの日本食レストランにも、ジョブズ氏はよくランチに行っていた。若い頃は『禅』に傾倒したり、陶磁器に凝って、過去の来日時に東京・青山の骨董通りに出没したこともある。日本文化が好きで、造詣も深いんです」