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市場心理改善で「強気発想」、乗り遅れた機関投資家が株買い

米経済指標が悪化し、円高が進行しているにもかかわらず、日本株底堅い動きを示している。短期筋だけでなくリバウンド局面に乗り遅れた機関投資家押し目買いを入れているためだ。

買いのボリュームは小さめで上値を買う積極さも乏しいが、欧州金融機関の流動性不安後退で、市場心理が悲観に振れにくくなっているという。ただ円高がこれ以上進めば主力輸出株などは買いにくくなるとされ、政府や日銀の対応に期待を寄せる声も多い。

<米指標悪化は追加緩和期待に転化>


これまで堅調な数値が多かった米経済指標にさえないデータが目立ち始めている。1月米消費者信頼感指数は雇用状況に対する見方が悪化し予想外に低下。1月のシカゴ地区購買部協会景気指数も市場予想を下回った。11月の米ケース・シラー20都市圏住宅価格指数も低下している。10─12月の米国内総生産(GDP)の伸びのほとんどが在庫増加だったことが明らかになっており、市場の米景気認識は一時より後退してきた。


しかしながら米株は底堅い。米ダウ.DJIは昨年10月から約22%上昇。過熱感が強まっているにもかかわらず、調整は小幅にとどまっている。背景は市場心理の改善だ。悪材料が出ても一時ほど悲観に振れにくくなっている。「これまでの株価上昇は短期筋のショートカバーが中心で、内外の機関投資家はほとんど乗れてなかった。金融機関の『突然死』リスクが後退し、内外の機関投資家押し目買いを入れやすくなっている」(三菱UFJ投信・戦略運用部副部長の宮崎高志氏)という。


日米欧の中銀によるドル資金供給や欧州中央銀行(ECB)による3年物オペの効果で、金融機関の流動性不安が後退。1月初旬には1年半ぶり高水準の0.5825%を記録した3カ月物ドルLIBORは31日、0.54235%と昨年12月初旬以来の低水準をつけた。市場のセンチメントが強くなったことで、米経済指標の悪化が示されても、米連邦公開市場委員会(FOMC)の量的緩和第3弾(QE3)期待に結びつくという「強気発想」が米市場には広がりやすくなっている。


米追加緩和予想の強まりは円高につながり、日本株にとってはマイナス要因だ。実際、ドル/円は一時、前日海外でつけた3カ月ぶり安値と並ぶ76.14円まで下落し円高が進んでいる。しかし、日本株にも機関投資家押し目買いが入り、2月初日の日経平均は小幅続伸。市場では「先週よりは減ったが、ヘッジファンドやロングオンリーが内需や為替のエクスポージャーの低い銘柄を買っている。投資しなくてはいけないマネーが動いている」(外資系証券トレーダー)との声が出ていた。