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豪中銀の声明全文

 政策理事会は本日の会合において、政策金利であるオフィシャル・キャッシュ・レートを3.00%に据え置くことを決定した。これまでのところ米国は財政面での深刻な収縮を回避しており、欧州の金融面での緊張は過去数カ月でかなり緩和した。中国の成長は、かなり力強いペースで安定した。これまでの中国の鈍化と欧州の低迷を要因に、アジアでの成長は総じて押し下げられたが、最近では安定の兆しが出ている。


 一部のコモディティ価格は過去数カ月で堅調となった。金融市場のセンチメントは引き続き改善しており、リスクスプレッドは縮小し、金融機関の資金調達状況は一段と好ましくなっている。オーストラリアを含め高いソブリン格付けの長期金利は、引き続き非常に低水準だ。大手企業の借り入れ状況も非常に良好だ。株式市場は一段と上昇した。


 しかしながら、民間および公共の財務を持続的軌道に戻すという一部主要国での課題は、完遂からはほど遠いため、金融市場はこの分野での揺り戻しに対して引き続きぜい弱だ。

 
 オーストラリアで今回の会合までに得られた大半の指標は、特に資源セクターの設備投資の大幅な増加が主導し、2012年の経済成長がトレンドに沿ったものとなっていることを示しているが、一方で一部のセクターの状況は弱かった。今後については、資源投資のピークが近づいている。また他の一部の分野で需要が強まる余地がある。現在の指標では民間消費支出は緩やかに拡大しつつあるが、何年か前に見られた非常に堅調な成長に戻る可能性は低い。


 当面の非居住用建物への投資と、資源セクター以外の投資は引き続き比較的抑制されている。公共投資も抑制される見通しだ。一方で、住宅価格が上昇し、賃貸収益が上昇、建築許可件数が1年前よりも増加するなど、住居への投資は今後改善する兆しがある。天然資源の輸出は強まっているが、最近の悪天候が一部の輸送に影響している。


 インフレ水準は中期的な目標に沿ったもので、総合および基調インフレ率は最新の統計で前年比2.25%程度の上昇となっている。

 
 今後については、労働市場はやや軟化しており、失業率はやや上昇しているため、労働コストを抑制する圧力が働いている。さらに企業は、緩やかな需要拡大の状況下での効率性向上に重点的に取り組む可能性が高い。これらの傾向は、先の為替相場上昇による物価への影響が後退したとしても、インフレを低水準に維持する一助となるだろう。


 中銀は引き続き、インフレ率が今後1─2年間、目標と一致すると判断している。2012年中は金融政策がかなり緩和された。これまでの緩和の完全な効果が表れるまでにはさらに時間が必要だが、金融緩和が期待された効果を一部発揮している兆候が見られる。これらは耐久消費財の一部のカテゴリーの需要向上、住宅価格の上昇、住宅建設が上向く初期の兆候、より高いリターンを提供する資産への預金者のポートフォリオシフトだ。


 一方で、輸出価格の下落が観測され、為替レートは予想よりも高い水準にとどまっており、家計と企業の一部が引き続き債務水準の低下を求めるなか、信用需要も低い。


 理事会は、今後1年間ははインフレが目標に沿った水準となる可能性が高く、成長水準はトレンドをやや下回る可能性が高いと見通している。現在のインフレ見通しは、需要支援の必要があれば一段の金融緩和余地があることを示す。


 きょうの会合では、最近得られた情報と、これまでのかなりの政策緩和を考慮に入れ、理事会はキャッシュレートを据え置くことが賢明と判断した。理事会は引き続き見通しを評価し、需要の持続的拡大と目標に沿ったインフレ状況を促進するため、必要に応じて政策を調整する。