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英中銀の声明全文

 英中銀金融政策委員会は政策金利を0.5%に据え置くことを決定した。委員会は、資産買い入れ枠を3750億ポンドに据え置くことも決定した。


 過去1年間、四半期の生産の伸び率はかなり不安定となっている。一時的な要因の影響を踏まえれば、全体としては、生産は概ね横ばいのようだ。これは、主に経済の特定のセクターが急激に落ち込んだことを反映しているが、2013年はそのようなことが繰り返される公算は小さい。

 
 対照的に、製造業・サービス業を合計した生産は緩やかに拡大している。企業調査は、拡大ペースが目先抑制される公算が大きいことを示している。生産全般が低迷しているのと対照的に、雇用は引き続き力強い伸びを示しており、金融危機が経済の有効供給能力に影響を及ぼした可能性を示唆している。

 
 金融政策委員会は引き続き、英経済が、需要と有効供給の双方の点で、ペースは遅いが持続的な回復に向かうと予想している。中銀の資産買い入れプログラムと「融資のための資金調達スキーム」による信用状況の一段の緩和や、国際環境の一定の改善が支援要因になるだろう。ただ、特にユーロ圏が直面する課題を考えれば、リスクは下向きだ。


 インフレ率は目標の2%を引き続き頑強に上回っている。賃上げ率は抑制されているが、生産性が低いため、国内のコスト圧力が低下していない。

 さらに最近は、大学授業料の引き上げや国内の光熱費──これは市場の力ではなく、主に行政判断に基づくものだ──が、物価を押し上げる要因となっている。


 CPI上昇率は目先、さらに上昇し、今後2年間引き続き目標の2%を上回る可能性がある。これは公共料金・規制料金とポンド安による根強いインフレ圧力などが原因だ。


 ただ、インフレ率はその後、目標付近に低下するとみられる。生産性の伸びの段階的な回復で国内のコスト圧力が弱まり、対外価格の圧力も緩和する見通しだ。

 
 委員会は経済の弱さと、インフレ率が目標を上回る状態が長期化する見通しが併存する状況への適切な政策対応について討議した。そして国内のコストや物価の圧力がインフレが中期的に目標に戻ると引き続き想定できるのであれば、長引いてはいるが一時的に目標を上振れる間、見守るのが適切との見解で一致した。


 現行の政策刺激を、金融市場が現在予想しているより早期に解除してインフレを目標水準に戻そうとすれば、回復を阻害し、中期的にインフレ目標を下回る恐れがある。


 委員会に付託された権限は物価安定の実現だが、生産の望ましくないボラティリティを引き起こさずに達成しなければならない。委員会は、成長とインフレの見通しによって正当化されるならば、追加の金融刺激措置を講じる用意がある。


 このような認識を踏まえ、委員会は中期的なCPI目標2%を達成するために政策金利を0.5%に、資産買い入れ枠を3750億ポンドにそれぞれ据え置くことを決定した。


 今回、委員会は、資産買い入れプログラムで保有する英国債のうち、2013年3月償還債が次回会合の頃に期限を迎えることに留意し、それらの償還資金66億ポンドを再投資することを投票で決定した。


 委員会の最新のインフレおよび生産に関する予測は、2月13日に公表するインフレ報告で明らかにする。


 今回の委員会の議事録は2月20日に公表する。