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「半沢直樹」ブームで注目 銀行マン出向の現実 半沢“気取り”は危ない!? - ZAKZAK

 ある大手銀行の支店長経験者は、40代で人事交流があった建設関連の中堅会社に役員として出向した。当初は「どうして俺が」と悩んだものの、「出向は片道切符だけとはかぎらない」と自らの経験を振り返る。


 「出向先に、同じ銀行から定年後に顧問として招かれた先輩がいて、『これもいい経験だ』と励まされて前向きになれた。オーナー社長にかわいがってもらい、政界を含めた新たな人脈も築けた。後に銀行へ戻ったとき、出向先での財産がいろいろな場面で生きた」

 実は、ドラマの最終回で東京セントラル証券に出向となった半沢も、その後を描いた「ロスジェネの逆襲」(ダイヤモンド社)では最後に銀行への復帰を果たしている。“続編”の小説は出向先で実績をあげた半沢が、営業第二部第一グループ次長として銀行に戻る辞令を中野渡(なかのわたり)頭取から直々に受け、幕を閉じる。

 ドラマでは、同期の近藤が出向先のタミヤ電機でいじめ抜かれるさまが注目された。近藤と同じように銀行から来た経理部長を間近でみた商社社員が語る。


 「経費の節約ばかり気にしたケチな人だったが、性格は明るく、酒の席にもこまめに顔を出していた。こちらも彼を通じた銀行からの融資をあてにしているので、じゃけんには扱えない。出向中は銀行より居心地がよかったのではないか」

 時代とともに、出向に対する価値観も変わりつつある。団塊世代の親を持つメガバンクの中堅行員は、「出世にこだわって出向を怖がるのはバブル組まで」と指摘する。


 「都銀13行の時代は都銀の頭取が13人いたわけで、トップになれる確率はいまより高かった。ところが現在、メガバンクはたった3つ。そのなかで頂点を目指すなんて雲をつかむようなもの。運任せの出世レースに目を血走らせるより、『自分を必要としてくれる部署なら出向先でもどこでもいい』という中堅、若手が増えていると思う」

 社会人生活で避けたいのは、やりがいのない場所への左遷だろう。前出の大手銀支店長経験者が「半沢直樹タイプは特に危ない」と警告する。


 「優秀だけど言い方がキツいタイプは、概して上司に嫌われる。そうして、不本意な部署に飛ばされた人をたくさんみてきた。正義感も必要だが、上とうまくやるのも大事なコミュニケーション力の1つ。ドラマの影響で半沢気取りの勘違い銀行員や社会人が増えなければよいが…」


 時代によって価値観は変化しても、口の利き方を知らない人が冷や飯を食わされるのは変わらないのか。