〔情報BOX〕2013年12月FOMC議事録のスタッフ予想に関する部分 | Reuters
12月のFOMC向けにスタッフが準備した経済予測では、年後半の実質国内総生産(GDP)伸び率見通しが、前回会合に提出した予測から若干引き上げられた。これは国内民間最終需要、特に消費支出に関する直近の情報が、おしなべてスタッフの予想より良かったことによる。中期の実質GDP予想も若干上方修正した。これは、与野党合意により財政面の制約がやや緩和したこと、長期金利が今後低下するとの予想、株価や住宅価格の上昇を踏まえている。これらの要因は全体として、ドル相場上昇(の影響)を相殺して余りある。スタッフは引き続き、実質GDPが今後数年、2013年を上回るペースで増加し、潜在成長率を大幅に上回ると予想。このような経済活動の活発化は、財政政策抑制が経済成長に及ぼす影響の緩和、消費者・企業センチメントの向上、信用・金融環境改善の継続、欧州での経済的ストレスの一段の緩和、依然緩和的な金融政策に支えられるとみている。経済活動の拡大により、予測期間に資源の緩み(resource slack)がゆっくりしたペースで是正し、失業率はスタッフが予測する長期自然失業率に向け緩やかに低下していく、と予想している。
インフレに関するスタッフの予測は、前回とほとんど同じ。短期的予測は、直近のデータが予想より弱かったことを踏まえ若干下方修正した。スタッフは引き続き、インフレ率が2014年初めまで基本的に抑制された水準にとどまるものの、2013年前半の低い水準は上回ると予想している。中期の予想は、実質変更ない。より長期のインフレ期待が安定し続けると想定し、商品(コモディティ)・輸入価格の変動は小さく、労働・製品市場の緩みは予測期間の大半の間続き、インフレ率は2016年いっぱい抑制された水準になると予想する。
スタッフは、経済活動の予測に関する不確実性は過去20年の平均とほぼ同水準と評価した。しかし、実質GDP成長率予想のリスクは、以下の懸念から下向きとみている。それは、リセッション以降、供給サイドが経済に与えた打撃が想定以上である恐れ、春以降の住宅ローン上昇が住宅市場回復を予想以上に阻害する可能性、新興国やユーロ圏の経済・金融的ストレスが深刻化する可能性、すでにフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標が下限近くにあり、米経済が将来の負のショックを克服する態勢が十分でないこと──である。失業率予想のリスクについては、状況が悪化し失業率が上昇するリスクを予想以上に失業率が低下し続ける可能性が相殺し、ほぼ均衡とみている。インフレ予想に関する不確実性は異常に高いわけではなく、予想のリスクは概ね均衡している。