アメリカ財務省の１１日の発表によりますと、制裁の対象に指定されたのは、ウクライナ議会の元副議長、クリミア自治共和国の第１副首相、クリミア自治共和国の治安機関のトップ、さらにセバストポリの市長など、７人の個人と、クリミアの石油ガス企業１社で、大統領令に基づいて、アメリカ国内にある資産を凍結するなどとしています。
制裁対象に指定した理由について、アメリカ財務省は、ウクライナの領土保全を脅かしたり、国家財産を横領したりしたなどとしています。
ウクライナ情勢を巡って、オバマ大統領は先月１７日に、ロシアのロゴージン副首相やプーチン大統領の補佐官ら７人と、ウクライナの大統領職を追われたヤヌコービッチ氏など、合わせて１１人を対象に、アメリカ国内の資産の凍結やアメリカへの入国禁止の措置を取っています。
これに続いて、先月２０日にはロシア政府を支援している実業家や銀行の資産を凍結する追加制裁を発表するとともに、ロシアの主要産業に対する制裁を可能にする大統領令に署名しています。
Twitter / BBCWorld: Crimean safari park lions "face
Crimean safari park lions "face starvation" due to sanctions, pro-Russian owner says http://bbc.in/1qp3Z5k pic.twitter.com/r5IhMfPak9
ロシアがクリミアを編入すると宣言したあと、ウクライナはこれに対する制裁として、ウクライナの銀行にあるクリミアの企業や個人の口座を凍結する措置を取りました。
この影響で、クリミアでおよそ５０匹のライオンや虎、きりんなどが飼育されているサファリパークでは、銀行口座が凍結されて預金を引き出せなくなったため、動物の餌を購入できなくなりました。サファリパークによりますと、肉食動物用だけでも１日当たり５００キロほどの肉が必要ですが、園内の冷蔵庫に残っている肉はあと数日分しかないということです。餌を確保するめどは立たないということで、サファリパークの代表は「人間の政治的な野望の犠牲になったと虎たちに説明しても、理解してもらえないだろう」と嘆いています。
