ウクライナのポロシェンコ大統領は東部での２０日からの停戦を一方的に宣言しましたが、その後も現地ではロシアとの国境付近などで戦闘が続いています。
こうしたなか２１日、停戦宣言にいったんは批判的な立場を示したロシア政府がウクライナの政権側と親ロシア派の対話を求めたうえで停戦を支持するという声明を出しました。
これを受けてポロシェンコ大統領は国民に向けて演説し、停戦や和平計画は欧米や国連のほかロシアからも支持を得られたとして、「国際社会全体に支持されている」と述べ、停戦実現に取り組む姿勢を強調しました。
さらに大統領は「和平計画の実行は政治対話への道を開く」と述べて、ロシアが求める親ロシア派との対話にも応じる用意があることを示し、東部で要求が強まっている地方分権の推進についても憲法改正案の審議を数週間後に議会で始め、９月にも憲法改正を実現させたいと表明しました。
大統領としてはロシアを含む国際社会から支持されたとアピールし、和平計画の正当性を国民に訴えることで親ロシア派の武装集団を孤立化させたいというねらいがあるとみられます。
