アメリカ政府の高官は28日、米ソ冷戦時代の1987年に調印したINF=中距離核ミサイル全廃条約に、ロシアが違反したと認定したことを明らかにしました。
これを受けてロシア外務省は30日、コメントを発表し、「アメリカの主張は、最近ほかにもロシアに対して言っている主張と同様、全く根拠がない」として、INFに違反したというアメリカの主張を真っ向から否定しました。
そのうえで、アメリカも旧東ヨーロッパにミサイル防衛システムの配備計画を進めていることなどを指摘し、「防衛システムでは中距離ミサイルを発射することができ、その発射装置とあわせてINF条約に違反している可能性がある」として、逆にアメリカ側が違反している可能性があると主張しました。
ロシアは、アメリカが29日に発表したロシアに対する制裁の強化についても、「アメリカの政策に従わないロシアに対する報復だ」として強く反発していて、INF条約を巡るやり取りでもアメリカとの溝は一層深まるばかりです。