トルコ大統領選、エルドアン首相が勝利宣言 「融和」路線に舵 | Reuters
トルコで10日に投票が行われた同国初の国民による直接投票の大統領選挙は、エルドアン首相が勝利した。
トルコのテレビ局は、エルドアン首相の得票率が52%で、2番手の候補者を13ポイント上回り、決選投票に持ち込まずに当選を決めたと伝えた。
高等選挙委員会も、開票率99%超の時点でエルドアン首相の得票が過半数に達したことを明らかにした。暫定結果の全容は11日発表される。
エルドアン首相は、公正発展党の本部で支持者に向け演説を行い、「今回の選挙で勝利したのは私ではなく、国民の意思、民主主義だ。われわれは、1つの時代に終わりを告げ、新たな時代に進んでいく」と述べた。
エルドアン首相は「国家、そして国民のために尽力する大統領」になることを強調。「融和」路線を取る姿勢を示し、独裁的との批判を一蹴した。
勝利が確定した後、8月28日に大統領に就任する予定。公正発展党はエルドアン氏の後任候補を決める手続きに入ることになる。ダブトグル外相が有力候補とみられる。
CNNトゥルクやNTVなどの報道によると、2番手のエクメレッディン・イフサンオール候補の得票率は38.5%。同氏は選挙結果について短い声明を発表し、エルドアン氏に祝辞を送った。
トルコでは、憲法改正に伴って、国民が直接大統領を選ぶ初めての選挙の投票が10日、行われ、選挙管理委員会はエルドアン首相が過半数の得票を獲得して当選を決めたと発表しました。
得票率などは11日に発表するということです。
これを受けてエルドアン首相は首都アンカラで演説し「勝利したのはエルドアン個人だけでなく国民の意思と民主主義だ」と述べ、勝利を宣言しました。
今回の選挙では3人が立候補しましたが、11年にわたり政権の座にあるエルドアン首相がイスラムの価値観を重んじる政策を進めながら、経済発展を実現した成果が支持されたとみられていて、エルドアン首相は今後、大統領権限の強化に乗り出し長期的な政権運営を目指す構えです。
一方で、野党側は抗議デモを強制排除したり、みずからに批判的な内容が掲載されたソーシャルメディアを遮断するなど、強硬な姿勢を続けるエルドアン首相が大統領になれば強権支配につながるとの批判を強めています。
エルドアン首相は勝利宣言の演説で、野党側に対し和解を呼びかけましたが、今回の大統領選挙によって立場の違いは一層際立っており、今後、難しいかじ取りを迫られることになりそうです。