https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com

世界から遅れつつある日本の統計学 【特別対談】東京大学・竹村彰通教授(第2回)|『統計学が最強の学問である[実践編]』発刊記念対談|ダイヤモンド・オンライン

竹村 アメリカの主な大学には統計学部や統計学科があって、そこから各学部に出張講義をするスタイルです。サービス的な出張講義なので、出張先の学部向けに手直しした講義をするケースもありますが、それでも共通部分の授業が多いと思います。その意味では、学部ごとに統計の内容が変わるわけではありません。
 日本の場合、少し事情が違います。日本には統計学部や統計学科が存在せず、統計の先生は経済学部や工学部、心理学などに分かれて所属していますので、どちらかというと、所属学部・所属学科で教える内容にアレンジした統計学を教える傾向があります。その分、統計学としての一般性に欠ける面もあります。

竹村 はい。日本の統計学は応用志向が強いので、工学、経済学、心理学、といったようにそれぞれの分野で個別に貢献してきました。その意味では「学部がない」ことのメリットも、一部にはあったといえるかもしれません。しかし、我々からすると、もう少し幅広く統計学を扱っておいたほうが後で応用が効くのではないか、という面もあります。
 加えて、とくに最近、日本に統計学部がないことのデメリットが際立ってきています。韓国、中国などはアメリカ式の統計学をどんどん輸入し、その素養を持った人材を産業界に大量に供給しはじめているのに対し、日本ではかなり遅れを取っているのではないか、という危惧です。


西内 人数は別としても、何にでも使えるジェネラルな統計学をガッチリ勉強する人と、経済学や工学の専門知識を生かすために統計学を応用的に勉強する人。その両方を縦・横に配置していくほうがいいのかもしれません。そうすると、統計学部がないのは、他国に対し大きなハンデですね。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20141202#1417517186