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Delusional America -- Paul Craig Roberts - PaulCraigRoberts.org
妄想の中のアメリカ: マスコミに載らない海外記事

1980年代、彼はレーガン問題に多くの時間を費やした。取締役会にいた経験から、CEOが会社で起きているあらゆることを知っていることはまれであるのを私は知っている。余りに多くの人がおり、余りに多くの狙いに対する、余りに多くの計画があるのだ。アメリカ政府の様に巨大な政府がある国家の大統領にとっては、もし彼がたとえ正確な情報を得られたにせよ、大統領が学べる時間を遥かに超えることが起きているのだ。


私の現役時代、情報の流れを支配しているので、次官補や首席補佐官達が最も重要な人々だった。大統領は、自分の再選と党の為の資金調達に注力しなければならない。多くの時間とエネルギーが、要人との面談やメディアイベントに費やされる。大統領が、指導力を発揮できる問題は、多くても、せいぜい二つか、三つだ。万一、ネオコンの様な組織的徒党が 当局の様々な地位に入り込めば、連中は、実際に“現実を作り出し”、政府を大統領から奪い取ることが可能だ。

現在、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が悪魔化されている。パリーや、私や、最も精通したロシア専門家であるスティーヴン・F・コーエンは、プーチンは、サダム・フセインではなく、ロシアは、イラクリビア、シリア、セルビアや、イランではないと理解している。戦争を始められるようにする為の、ロシアとの対立醸成は、無責任より、まずい。ところが、パリーが書いている通り“2013年秋のウクライナ危機の始めから、ニューヨーク・タイムズワシントン・ポスト、そして事実上あらゆる主流アメリカ・マスコミは、イラク戦争の準備段階で彼らがしていたと同様、不正直にふるまっている。”


コーエン教授が、ロシア、ウクライナプーチンに関するウソが猛烈であると正しく指摘すると、インチキ宣伝屋連中は、事実を語る人物を追い払わざるを得なくなった。IQが低い阿呆のたまり場、ニュー・リパブリック誌は、この一流ロシア専門家を“プーチンアメリカ人”と呼んだ。


パリーの記事によると、集団思考は、マスコミから、外交政策界、更には、学者生活の為には、政府のプロパガンダ言説、つまりネオコン言説を順守する必要があると決定した、全米スラブ東欧ユーラシア学会ASEEESにまで広がっている様に見える。


私が何度も書いてきた通り、もはや事実は、アメリカ政治に影響を与えていない。事実に基づく分析は、学問の世界からも消えつつあり もはや公式経済報告にも影響を与えていない。国のエネルギーと資源を、私益支配集団の権益とネオコンイデオロギーに役立つ秘密の狙いに向けて注ぎ込む『マトリックス』世界、人工現実が作り出されたのだ。


一体何が現実かを知らない為に、アメリカ合州国政府も、アメリカ国民も、現実に対処することができない。


アメリカという架空の世界では、ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、トーマス・フリードマンの様なネオコン太鼓持が集団思考を方向づける一方で、スティーヴン・コーエンの様に博識な専門家は無視される。


実際、アメリカは、目が見えず、耳が聞こえないのだ。アメリカは妄想の中で生きている。結果的に、アメリカは自らを、そしておそらく世界をも破壊するだろう。