この法案は、カナダで採掘された原油をアメリカ南部のメキシコ湾岸まで運ぶパイプラインの建設を承認するためのもので、野党・共和党が多数を占めるアメリカ議会の上下両院で可決され、オバマ大統領に送られました。
オバマ大統領は、環境保護の観点などからパイプラインの建設には慎重な立場で、24日、この法案を成立させないため拒否権を行使したと議会に通知しました。そして、「拒否権は慎重に行使すべき権限だが、私にはアメリカ国民への責任もある」と説明しています。
オバマ大統領が拒否権を行使するのは、大統領就任以来、この6年間で3回目ですが、去年11月に行われた議会の中間選挙の結果、共和党が上下両院で多数派となってからは初めてです。
オバマ大統領としては議会の主導権を共和党に奪われたため、今後、拒否権を使って対抗せざるをえない事態が相次ぐことも予想され、双方の攻防が一層激しくなりそうです。