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毎回のFOMCごとに利上げ検討へ=イエレン米FRB議長 | Reuters

証言で議長はFRBが利上げ開始に向けどのように準備を進めるか説明。FRBは先ず、12月のFOMC声明から採用している政策金利の先行きを示すフォワドガイダンスの「忍耐強くいられる(patient)」との文言を削除し、どのFOMCでも利上げ決定が可能な段階に移行すると述べた。


議長は、こうしたアプローチは経済指標で利上げ開始が正当化された時にFRBが行動を起こすことができることを示しており、FRBがある特定のFOMCで利上げを決定することにはつながらないと強調した。


こうしたアプローチにより、早くて6月にもFRBが利上げ開始に踏み切る可能性も出てきたものの、市場では今回の証言は利上げ時期の遅延を示すものとおおむね受け止められた。


証言を受け、短期金利先物は小幅下落し、CMEフェドウオッチによると、市場が織り込む2015年9月の利上げ確率は56%と、証言原稿発表前の54%から上昇した。

イエレン米FRB議長の議会証言要旨 | Reuters

<U6失業率>


(完全失業者、縁辺労働者、経済情勢のためにパートタイムで就業している者を含むU6失業率は)失業状況を広く示す指標だ。U3や(1月の失業率)5.7%よりも明るくない状況を示している。失業率は低下しているが、いわゆる完全雇用が実現したとは感じていない。労働参加率は低下しており、当面は上昇は見込んでいない。ただ、これは循環的な要因も一因だ。


<住宅市場> 


想定したようには回復していない。非常にゆっくりとした改善だが、米国の世帯形成は非常に低い。家族とともに住んでいる若者が多く、これが学費債務、あるいは労働市場が弱いものなのかは分からない。景気が引き続き改善すれば、世帯形成も上向くだろう。


<財政政策>


再び負のショックを受けた場合、財政政策を発動する余地があまりないことを懸念している。一時的にせよ複数年にわたる拡張的財政政策の余地がどの程度あるか疑問だ。議会がこの問題に対応することが重要だ。


FRBのバランスシート>


正常化のうえでの原則のひとつは、バランスシートを秩序だって徐々に、かつ予測どおりに縮小することだ。


<世界経済>


欧州の成長は非常に鈍くなっており、中国経済も減速している。原油価格の大幅な下落は世界的に影響を及ぼし、ある地域ではプラスの、別の地域ではマイナスの影響が出ている。こうしたことは、貿易、および金融市場の状況を通して、われわれの見通しにも影響を及ぼす。


すべてを勘案すると、米国の見通しに対するリスクはおおむね均衡していると引き続き考えている。


<時期尚早な利上げのリスク>


回復はようやく根付き始め、これにより労働市場が改善しつつあるが、FRBが早過ぎる時期に利上げを行えば、こうした動きが阻害されるリスクがある。最大雇用や、労働市場の状況の正常化を示す条件はまだ達成されていないと考えている。状況は大幅に改善したが、まだそこには到達していない。


そのうえ、インフレ率はわれわれが目標とする2%を大幅に下回っている。その大きな要因は、主にエネルギー価格の下落など、一時的なものであると考えてはいるものの、われわれは2%に設定しているインフレ目標にコミットしている。利上げを開始する前に、われわれは回復が継続し、インフレ率が次第に上向いていくとの確信を得たい。


一方、緩和策解除を待ち過ぎることのリスクも存在する。われわれは先を見据える必要がある。労働市場が引き締まるに従い、賃金の伸びと物価上昇が加速し、いつかはわれわれのインフレ目標を上回る。金融安定に対するリスクが台頭する可能性もあり、こうしたことも注視していきたい。


われわれは慎重に、かつ思慮深く、こうした恩恵とリスクの均衡点を探ろうとしている。


<景気見通し>


景気見通しについて前向きに感じていることについては、理由がある。


家計の財政状態はこれまでより良くなっており、雇用情勢も改善している。賃金は実質ベースでそれほど大きく伸びてはいないものの、労働時間は増えており、雇用も増えている。


このため、家計収入は改善している。原油安も家計収入の押し上げに寄与している。


<利上げの理由>


FRBは、回復について確信し、インフレ率がわれわれが目標とする2%に次第に戻っていくとの合理的な確信が得られた時、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標の引き上げに着手する。


FRBの利上げによって引き起こされた信用効果に純粋に起因する景気回復を、われわれは引っ張り上げようとはしない。


<利上げに向けたインフレ指標>


利上げを始める前に、連邦公開市場委員会(FOMC)が、中期でインフレ率が目標の2%へ上昇すると合理的な自信が持てるようになる必要がある。その実現に必要な単一の評価基準を定めようと思わない。FOMCは、賃金の伸びを注視している。兆候が現れているかもしれないが、賃金の伸びが著しく加速したとまだ判断していない。


FRB監査に向けた動き>


FRBに対する監査強化を盛り込んだ法案について、強く反対していることをはっきりさせておきたい。同法案は金融政策を政治化するもので、FRBに短期的な政治圧力をかけるものとなる。FRBの財政アカウントの透明性については、すでに広範に監査されている。


インフレが高進し米経済の問題となった1970年台初頭、FRBの意思決定に政治的な圧力がかかっていた可能性があることが、過去の事例から示唆されている。


ポール・ボルカー氏率いる当時のFRBがインフレを低下させ、最終的には制御するために困難な決定を行う勇気を持っていたかどうか、疑問に思う。


金利ガイダンス>


政策正常化の開始にあたり「忍耐強く(patient)」いられるとしたFOMCの見解は、少なくとも今後数回の会合でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを引き上げることを経済状況が正当化する公算が小さいと判断していることを示している。


景気回復がFOMCの予想通り続けば、いずれかの時点でFF金利の誘導目標を引き上げることを会合ごとに検討する。


それまでにはFOMCはフォワドガイダンスを変更する。だがフォワドガイダンスの変更は、FOMCが数回の会合で必ず目標レンジを引き上げると解釈されるべきではないと強調することが重要だ。


むしろ、目標レンジの変更がどの会合でも正当化されるという段階が近いという水準まで状況が改善したとのFOMCの判断を反映していると理解されるべきだ。


労働市場の状況が引き続き改善し、一段の改善が見込まれれば、指標に基づき、インフレが中期的に2%の目標に向かっていると妥当な自信が得られた際に、誘導目標レンジを引き上げることが適切になると予想している。


<FOMCの決定>


FOMCの決定を何らかのルールに縛り付けることは支持していない。ただ、金融政策は広範な要素を勘案する必要がある。このなかには特異で、特別な注意が必要なものも含まれる。金融危機に見舞われていない時でもこれは当てはまる。


<賃金の伸び>


今回の回復過程で賃金がそれほど伸びていないことについて、労働市場は回復しているものの、完全雇用を実現するまでにまだ長い道のりが残されていることを示していると受け止めている。


<正常化プロセス>


FOMCは正常化プロセスを進める間、FRBのバランスシートを積極的に管理するのではなく、主にフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を変更することで、金融政策スタンスを調整していく。


FOMCは、適切な時期が到来した時に短期金利を引き上げるために必要な手段を持ち合わせていると確信を持っている。また、預貯金取扱金融機関が保有する準備金の水準は緩やかにしか減少しない公算が大きいものの、政策が今後引き締められるなか、短期金利水準の制御を維持する手段も持ち合わせていると確信している。


FF金利引き上げの主要な手段は、超過準備金利の引き上げとなる。FOMCはまた、FF金利の管理に向け、必要に応じて翌日物リバースレポやその他の補完的な手段も活用する。経済、財政状況の改善に伴い、補完的な手段の必要がなくなった時点で、FOMCはこれらの活用を停止する。


FOMCは、主に償還元本の再投資をやめることにより、保有証券の水準を段階的に予見可能な方法で低下させたいと考えている。金融政策の有効な運用に向け、FOMCは長期的に必要以上の証券は保有しない。保有する証券は主に米国財務省証券となる。


<インフレ>


米インフレ率は、連邦公開市場委員会(FOMC)目標の2%を引き続き下回っている。個人消費支出(PCE)物価指数が最近軟調なのは、原油価格の下落を反映している。実際、PCE物価指数は昨年第4・四半期、小幅低下し、消費者向けエネルギー価格の下落で、今四半期はより顕著な低下を示す見通しだ。


ただ、コアPCEインフレも昨夏以降鈍化し、多くの輸入品価格の下落や、おそらくエネルギーコストの低下を一定程度反映した。


実際のインフレ率は最近、非常に低水準となっている。ただ、家計などへの調査が示すインフレ期待は、これまでのところ安定的に推移している。


FOMCは、短期でインフレ率がさらに低下するが、労働市場の改善が進むほか、エネルギー価格下落など一時的な影響が弱まり、中期では2%に向けて徐々に上昇するとみている。ただ、インフレ動向は引き続き注視していく。


長期金利、エネルギー価格>


米経済情勢および見通しの全般的な改善にもかかわらず、米国と他の先進国の長期金利は昨年半ば以降大幅に低下している。これは、米国外でのさえない成長や金融政策の変更が一因となっている。原油価格の急落も注目すべき動向だ。ただ、その大部分は世界の需要後退ではなく、むしろ供給の高まりを反映しているようにみられる。原油価格の下落はエネルギー関連企業にマイナスの影響を及ぼし、恐らく同セクターでの人員削減につながるだろう。しかし、最終的には米経済に極めて大きなプラスの効果をもたらされる可能性が高い。主に、ガソリンへの支出が減少し、消費者がその他のモノやサービスへの支出を拡大する手段を得ることによって、プラスの効果が生じる。

イエレン米FRB議長、通商協定の為替条項に反対姿勢 | Reuters

イエレン議長は、通貨を切り下げて貿易相手よりも優位に立とうとすることは不適切だとする一方、通商協定に為替操作への対抗措置を盛り込むことを「大いに懸念している」と述べた。


FRBの超低金利政策および大規模な資産買い入れを含む、景気刺激に向けた緩和的な金融政策は、通貨安を引き起こす可能性があるとしつつ、為替操作ではないと指摘。為替操作に対する制裁を通商協定に盛り込むようなやり方を懸念しているとし、そうなれば「金融政策を妨げることになりかねない」と述べた。