政府は、東京電力福島第一原子力発電所の周辺の福島県双葉町と大熊町に県内の除染で出た土などを保管する中間貯蔵施設を建設する計画で、先月、工事に着手しました。搬入の開始については、震災の発生から4年となる今月11日を目指すとしていましたが、地元の要望を踏まえて延期し、13日から、土などを一時的に受け入れる「保管場」への搬入が始まりました。
13日、搬入されたのは、大熊町の仮置き場で一時保管していた土などおよそ12立方メートルで、環境省では、おおむね1年間は試験的な輸送として43の市町村から1000立方メートルずつを施設に搬入する方針です。
中間貯蔵施設は、16平方キロメートルの土地に最大で東京ドーム18杯分に当たる2200万立方メートルの土などを搬入する計画ですが、今のところ搬入のめどが立っているのは2万立方メートルを受け入れる保管場だけで、用地全体の確保に向けた地権者との交渉が難航しています。
このため、仮置き場などでの一時保管が続いている土などの搬入完了や、施設の完成の時期は見通しが立っておらず、どのように地権者の理解を得て交渉を進められるかが課題となります。また、政府は、保管が始まった13日から30年以内に福島県外で最終処分を完了する方針ですが、処分場の候補地の選定を含め具体的な工程は示されておらず、最終処分に向けた作業を着実に進められるかも大きな課題となります。