アメリカ議会ではことし１０月から始まる２０１６年度の予算審議がこれから本格化しますが、野党・共和党は１７日、議会下院で独自の予算案を公表しました。
２０１６年度の予算を巡って、オバマ政権はすでに先月初めに富裕層などへの増税を行ってそれを中間所得層の支援やインフラ整備に充てる「予算教書」を議会に提出しています。
これに対して、下院の共和党の予算案は、増税を認めず、代わりにオバマ政権の看板政策、医療保険制度改革の撤廃や社会保障の見直しを通じて、１０年間で５兆５０００億ドルの巨額の歳出を削減して財政赤字を解消することを掲げています。その一方で、国防費については上積みを主張し、オバマ政権の「予算教書」とは真っ向から対立する内容となっています。
オバマ大統領は早速ホワイトハウスで記者団に、「これは中間所得層の暮らしを支える予算とはいえない。豊かな中間層になろうと懸命に努力する国民のためにもならない」と述べて批判し、２０１６年度の予算審議でも与野党の対立が激しくなりそうです。
