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強姦・強姦傷害 罰則強化の意見多く NHKニュース

この検討会は現在の刑法では、女性を乱暴して死亡させたり、けがを負わせたりする強姦致死や強姦傷害の罰則が、強盗傷害より軽いことなどから、性犯罪の罰則を見直すために去年、法務大臣の指示で設置されました。
10日の会合では報告書の案が示され、性犯罪の罰則について、「強姦罪は人間の尊厳に対する侵害と考えるべきで、被害が非常に長期間続く」などとして、「法律で定められた強姦と強姦傷害の罰則の下限を引き上げるべきだ」とする意見が多かったとしています。
また、性犯罪が被害者の告訴が必要な「親告罪」のままでよいかどうかについて、「なぜ自分が訴えなければ犯罪として認識されないのか、疑問を抱く被害者が多い」などとして、「被害者が告訴しなくても起訴ができるようにすべきだ」とする意見が多かったとしています。
さらに、現在は女性に限られている強姦罪の被害者に男性も加えるかどうかについて、「性別による差を解消すべきだ」とする意見が多かったとしています。
検討会は来月にも報告書を正式に決定し、法務省が法改正が必要かどうか検討することにしています。

今後の焦点の1つは、性犯罪の一部について、被害者が告訴しなければ罪に問われない「親告罪」としている刑法の規定を変えるかどうかです。
性犯罪のうち、暴行や脅迫によってわいせつな行為をする「強制わいせつ」や、相手の意思に反して強要する形で性行為をする「強姦」などの罪が親告罪とされています。
この規定が出来たのは明治13年で、加害者が起訴されると法廷で事件の内容が公になり、被害者が傷つくおそれがあるため、被害者の判断に委ねるべきだという考え方があったのです。
被害者の中にも自分の意思に反して捜査や裁判が進むのは抵抗があるという声がありましたが、一方で、告訴がなければ加害者が起訴されないため、「泣き寝入り」になる場合があるという指摘も出ていました。
性犯罪対策を話し合う内閣府の調査会では、平成23年から親告罪の規定が議題となり、被害者や専門家などから見直すべきだという意見が相次ぎました。この中では、被害者にとっては告訴するかどうかという重い判断を求められるのは負担が大きいという意見や、加害者側から告訴の取り下げを求められ交渉するのが負担になるという意見が出ました。
実際、平成25年には、強制わいせつ事件の29%、強姦事件の21.8%で、告訴の取り下げや告訴がなかったことで不起訴になりました。
このため、法務省は、去年、有識者による検討会を立ち上げ、性犯罪の被害者や支援活動の関係者などに聞き取りを行い、親告罪の規定を見直すべきか議論を進めていました。

性犯罪などの被害者を支援している団体、ウイメンズカウンセリング京都の周藤由美子さんは、親告罪の規定の見直しは被害者の心理的な負担の軽減につながる一方、裁判を始めるのに告訴が必要なくなるため、被害者の意思を尊重しながら手続きを進める必要があると指摘しています。
周藤さんは「親告罪の場合、本人が告訴を取り下げたら裁判が行われなくなる。被告の弁護士から取り下げを強く求められるのは大きな負担だし、加害者から逆恨みをされることもある。規定を見直すことで被害者の負担はずいぶん減ると思う」と話しています。
一方で、「被害者の中には、そっとしておいてほしいので勝手に捜査や裁判が行われたら困るという人もいる」と指摘しています。周藤さんは「裁判に巻き込まれたくないという被害者の意思を必ず尊重して、裁判でプライバシーを侵害されないような対策を取っていく必要がある」と話しています。