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らめーん

2017年の刑法改正の際の議論が、捜査実務に影響を与えたのではないかと思っている。

 以前なら、警察が捜査せず、検察が起訴しないようなケースであっても、最近は警察が動き、検察が起訴することが増えているのではないか。これまで起訴されなかった件を検察が起訴する一方で、裁判所の判断の基準が以前どおりであれば、無罪判決は増える。

 強姦被害者は、特殊な心理状態となり、通常のシチュエーションなら反抗できるような暴行脅迫であっても、擬死状態といって身体が固まってしまい、反抗できなくなるということが、心理学的な研究などで知られている。被害者団体は、被害の実体験を基に、強姦罪から暴行脅迫要件を撤廃することを求めていた。

 2017年7月、刑法は改正されたが、暴行脅迫要件は残った。

 しかしながら、改正に対する衆議院参議院の附帯決議の中に、「暴行脅迫」「抗拒不能」の認定について、警察官、検察官及び裁判官に、「性犯罪に直面した被害者の心理等についての研修を行うこと」が盛り込まれた。

 改正後、この附帯決議に基づく変化が確実に表れている。たとえば、今年の1月には、法務省が、警察も把握していない「暗数」を含めた犯罪被害調査を始めた。2月には、最高裁が、精神科医の講演録などをまとめた研修資料を全国の裁判所に配布したニュースがあった。

 研修の内容は、現段階では、発表されていない。しかし、著名な検事は、改正後の論文で、「被害時には、高度のストレスにより、ドーパミンノルアドレナリンなどが過剰に放出されることにより、脳の高次機能が停止し、より原始的な生存戦略として、擬死状態・迎合反応を示す」「検察官は、これらの脳科学的知見を精神科医など専門家の助力を得て立証し、裁判所・裁判員の『経験則』にしてもらわなければならない」と述べている。

 また、改正後、この附帯決議を非常に尊重した判決がよく出ている。こうした判決が出ると、警察や、検察の動きはどう変わるのか。「このケースでこの判決が出るのならば」と、以前であれば起訴・捜査しなかったケースに対しても、起訴・捜査することが増えるだろうと考えられるのだ。

 今後は、強姦被害者の擬死状態などについて、脳科学的知見からの立証活動が進むことにより、従来よりは軽い「暴行脅迫」であっても「被害者の反抗を著しく困難にする程度」であることが認定されるケースが出てくると予想している。

 また、これまで暴行脅迫の程度と、被害者の抵抗の程度によって「故意の認定」が行われているのだから、暴行脅迫の内容が変化すれば、故意の認定に必要な事情も変動すると思われる。そして、これまで起訴・捜査されなかったようなケースの起訴・捜査が増える以上、性犯罪に関する判決では、今後数年は無罪判決が増えるであろう。

 冒頭に述べた無罪判決のうち、久留米支部のものは、被害者に大量のテキーラを飲ませた者と、性交した者が別であることが、後の報道で判明した。非常に特殊な事案であり、法改正とは無関係に、たまたま無罪判決がなされた可能性が高い。

 浜松支部の事件は、性犯罪被害者の心理に関する裁判所の知識が、判決に影響を与える可能性が高いケースである。性犯罪被害者の心理に関する知見が深まることによって、有罪とされる可能性があると、私は考えている。

 静岡本庁の事件は、被害者証言に変遷があったことが、裁判所が、被害者証言の信用性を否定する理由の一つとなった。性犯罪被害者の場合、事件直後は「解離」という症状が起こり、事件の記憶が真っ白になってしまうことが多い。このことは、性犯罪被害者の治療をしてきた精神科医にとっては、常識レベルの知見である。

 ネットでは、この3件の無罪判決について賛否が吹き荒れ、SNSでは「レイプ天国日本!」などという声も見られた。

 しかし、2017年7月の刑法改正には、政府が3年を目途に実態に即した見直しを行うとする「附則」が入った。現在は、「性犯罪に関する被害実態調査」が行われ、被害者団体・ワンストップ支援センターへのヒアリングもなされている。現在は過渡期なので、性犯罪被害者の心理状態を正しく把握した判決も出れば、そうでない判決も出るであろう。大切なのは、3年後の見直しに向けて歩みを止めないことである。

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#ネトウヨ

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大胆な理論や仮説を議論することを避けて、瑣末な枝葉の議論に終始するポストモダン的な瑣末主義である。

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父親はおととし、愛知県豊田市などで、暴力や性的虐待の影響で抵抗できない精神状態にあった当時19歳の実の娘に性的暴行をした罪に問われました。

裁判で、検察が懲役10年を求刑したのに対し、弁護側は「娘は行為に同意していたし、抵抗できない状態ではなかった」と主張していました。

先月26日の判決で、名古屋地方裁判所岡崎支部の鵜飼祐充裁判長は、娘は性行為に同意していなかったと認定したうえで「父親は、娘が中学2年生のころから性行為を繰り返し、拒んだら暴力を振るうなど父親の立場を利用して性的虐待を続けた。娘は抵抗する意思を奪われ、専門学校の学費の返済を求められていた負い目から精神的にも支配されていた」と指摘しました。

一方で、「父親の意のままに従うような強い支配による従属関係にあったとは言い難く、一時、弟らに相談して性的暴行を受けないような対策もしていたことなどから、心理的に著しく抵抗できない状態だったとは認められない」と述べ、無罪を言い渡しました。

名古屋地方検察庁の築雅子次席検事は「判決内容をよく検討し、上級庁とも協議のうえ、適切に対応したい」とコメントしています。