この中で、岸田外務大臣は、『明治日本の産業革命遺産』の世界遺産への登録を巡り、ことし6月の日韓外相会談で合意したにもかかわらず韓国との調整が難航したことについて、「ユン・ビョンセ外相の日本訪問は意義があったが、その後の経緯については日本国内での見方は厳しい」と指摘しました。
これに対し、ユン外相は「6月の外相会談では、岸田大臣と協力することができたと思っている。両国の関係改善に向けた前向きな雰囲気を生かし、よい方向に進んでいくよう努力していきたい」と述べ、両外相は両国の関係改善に向けて連携していくことで一致しました。
また、戦後70年のことし、安倍総理大臣が発表する談話を巡って、ユン外相が「日韓関係を前進させるという観点から関心を持っている」と伝えたのに対し、岸田大臣は「安倍内閣は歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継いでいく」と述べました。
ユン外相は、岸田外務大臣との会談のあと記者団に対して、「時間は短かったが非常に友好的で深い議論ができた。6月に日本を訪問したことなどを土台に、よい成果が出ているので、今後も両国関係が発展するように努力を重ねる」と述べました。
そのうえで、「ことし中に日中韓の首脳会談を開催するため、緊密に話し合い、調整することを確認した」と述べ、首脳会談の実現に向けて両国で協力していくことで一致したことを明らかにしました。
一方、韓国政府の当局者によりますと、会談の中でユン外相は、安倍総理大臣がことしが戦後70年となることに合わせて発表する談話について、歴代内閣が発表した歴史認識を引き継ぐ形で明確に表明されることを期待するという韓国側の立場を伝えたということです。