マレーシア首相退陣要求デモ、マハティール氏「民衆の力結集を」 | Reuters
マレーシアのマハティール元首相（９０）は３０日、スキャンダルの渦中にあるナジブ現首相の退陣を求めるデモ活動に参加し、「民衆の力」を結集しようと呼び掛けた。
かつてはナジブ首相を支持していたマハティール氏はデモ参加に先立ち、メディアに対し「彼（首相）を退陣させるため、民衆の力を示さなければならない。国民全体はこうした腐敗指導者を望んでいない」と述べた。
警察当局によると、この日のデモの参加者数は推計で２万５０００人に上った。
マレーシアでは、ナジブ首相がおととし行われた総選挙の直前に、政府系ファンドからおよそ７億ドル（日本円で８５０億円）の不正な送金を受けていた疑惑が持たれていて、首相に説明を求めた閣僚が事実上解任されるなど、政治の混乱が続いています。
現地では、市民団体の呼びかけによって、３０日までの２日間にわたり大規模な抗議デモが各地で行われ、このうち首都クアラルンプールでは、主催者の発表で１０万人以上が集まり、首相の退陣を求めました。抗議デモには、今回の疑惑でナジブ首相と対立するマハティール元首相も姿を現し、「首相を退陣させるには国民の力を示さないといけない」と報道陣の取材に対して述べ、国民が団結して首相に辞任を求めるよう呼びかけました。
一方、ナジブ首相はデモについて、「マレーシアの信用をおとしめるものだ」との声明を出し、辞任に応じる構えを見せていません。
しかし、与党側の重鎮として今も国民の間に根強い人気があるマハティール元首相が公の場でナジブ首相を批判したことで、今後、首相の辞任を求める声がさらに高まるものとみられます。
