ネタニヤフ首相「パレスチナ人がホロコースト進言」に批判 NHKニュース
イスラエルのネタニヤフ首相は、今月20日にエルサレムで開かれた会議で、ナチス・ドイツによるユダヤ人の大量虐殺、ホロコーストについて、1941年にヒトラーとエルサレムのイスラム教の宗教指導者が面会した史実に触れました。
この中でネタニヤフ首相は、「当時、ヒトラーにはユダヤ人を全滅させる意図はなく、追い出すつもりだった」と述べたうえで、宗教指導者が大量虐殺をヒトラーに進言したとする持論を展開しました。
この宗教指導者はパレスチナ人であるため、ネタニヤフ首相の発言を受けて、パレスチナ側からは、ホロコーストの責任をパレスチナ人に押しつけようとするものだと、強い反発の声が上がっています。
また、イスラエルの歴史家からも「ヒトラーと宗教指導者が会談する前からユダヤ人の虐殺は始まっていた」として、首相の発言は誤りだとする指摘が相次いでいるほか、野党からも「ヒトラーの責任を軽くする歴史をゆがめる発言だ」と批判の声が上がり、ネタニヤフ首相は事態の収拾に追われています。
ネタニヤフ首相の発言について、国連のハク報道官は21日の記者会見で、「ホロコーストがナチス以外のパレスチナ人やイスラム教徒に触発されたものだという主張は全く論外だ」と述べ、厳しく批判しました。