内戦が続くシリアなどからヨーロッパに押し寄せている難民や移民の流入を抑えようと、ヨーロッパの玄関口ギリシャへ渡った人たちを、経由地のトルコへ送還する措置がＥＵ＝ヨーロッパ連合とトルコの合意に基づいて、４日から始まりました。
しかし、５日未明、ＮＨＫの取材班が、トルコ西部ディキリの港で取材をしていたところ、ギリシャへの密航を企てて沖合で拘束された人たちを乗せたトルコの沿岸警備隊の船が入港してきました。
現地の捜査関係者によりますと、拘束されたのは、シリアやアフガニスタンの難民など５４人で、トルコからボートでエーゲ海を渡り、ギリシャのレスボス島へ向かう途中だったということです。
トルコ内務省によりますと、トルコではことし１月から先月までの３か月間だけで、密航を企てた難民などおよそ６万５０００人と、密航業者１７００人余りが摘発されています。
ＥＵとトルコは、今回の措置によって、密航する難民や移民を送り返す姿勢を示すことで、ヨーロッパへの流入をくい止めたい考えですが、密航してヨーロッパを目指す動きに歯止めはかかっていません。
