新刊 安岡正篤・著『酔古堂剣掃を読む』|致知出版社公式ブログ
『酔古堂剣掃』は、
中国・明末の教養人の陸紹こうが
愛読した古典の中から、
名言・嘉句を収録した読書録です。
「酔古堂」とは、陸紹こうの雅号で、
先哲の学問や見識に酔う、
「剣掃」は、その剣によって
世俗の邪気を掃う、という意味があります。
安岡師は次のように言われます。
「『酔古堂剣掃』は
単なる一片の知識だとか
理論とかいうものでない。
人間が人間としての人格、
人間としての教養、
人間としての生活を潤す。
孟子の言葉で言うと
「心広体胖(しんこうたいはん)」、
人間の心を広く体を胖(ゆた)かにする
「広胖(こうはん)」
という熟語があるが、心身を本当に養う。
つまり心の食べ物、心広体胖ならしめる
精神・魂の食物であります」
「『酔古堂剣掃』は、我々の心境を養い、
活眼を開かせ、おのずから
精神生活を豊かにする、
これを余裕と言う。
身を持し、世に処するには
余裕が必要である。
又、この書には自然を描写しつつ、
そこに何ともいえぬ愛(かな)しさが
漂っている。
それが味わえる様になれば本物だ」
「清言」。