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セブン会長引退の引き金を引いた創業家の影響力|Close-Up Enterprise|ダイヤモンド・オンライン

 長期政権を続け、セブンの“天皇”として君臨してきた鈴木会長に引退を決意させたきっかけは、井阪社長の交代問題である。


セブン&アイHDは3月に取締役会の諮問機関として、役員人事や報酬を審議する「指名・報酬委員会」を設置。鈴木会長と村田社長、社外取締役の伊藤邦雄・一橋大学大学院特任教授と米村敏朗・元警視総監の4人が委員を務める。


 この指名委に3月、井阪社長を退任させ、後任に古屋副社長を充てる人事案を鈴木会長は提出する。


 ところが、「セブン−イレブン社長の任期は7年」という理由の他に明確な説明がなかったため、「外部から見ると、交代の理由が見いだせない」と社外取締役が反対したのだ。


 さらに、社外取締役から「ガバナンスの問題として、創業者で大株主の伊藤家の判断も重要だ」との意見も出た。そこで、村田社長は伊藤雅俊名誉会長に人事案の承諾を得ようとしたが、拒絶された。


 伊藤家はセブン&アイHDの株式約10%を保有する。反対の理由は定かではないが、布石はあった。


 関係者によれば、不振で赤字続きのイトーヨーカ堂のために「寄付してほしい」と鈴木会長の側近が伊藤家に要請したというのだ。この申し出を伊藤家の奨学金財団の常任理事を務める、伊藤名誉会長の長女は拒絶。伊藤家の鈴木会長への不信感が高まったという。


 鈴木会長が会見で「私の提案を伊藤名誉会長が拒否したことは一回もなかった。世代が変わった」と繰り返した背景には、こうした事情もあったと関係者はみる。


 結局、井阪社長交代の人事案は指名委の了承を得られないまま、7日の取締役会に諮られることになってしまった。

 席上、伊藤社外取締役が提案したのは「取締役会でこれまでやったことがなかった」(出席者)という無記名投票だった。


 15人の取締役の判断は割れた。賛成7、反対6、白票2。賛成が過半数の8票に満たず、井阪社長の交代案は否決された。

「反対票が社内の役員からも出るようならば、私が信任されていないという意味だと考えていた」(鈴木会長)。こうして、井阪社長の交代案が否決された取締役会の直後、鈴木会長は側近にあっさり引退を告げたのだった。

伊藤名誉会長の次男の伊藤順朗取締役

 伊藤取締役は現在、CSR(企業の社会的責任)を担当。「人当たりが良く、人望はある。ただ、セブンという巨大な組織を率いていく器かどうかは、疑問が残る」(幹部)。

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