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元法制局キャリアが教える効率的で挫折知らずの法律学習法 まずは読み方や基本ルールから覚えるのが効率的!|元法制局キャリアが教える 法律を読む技術・学ぶ技術|ダイヤモンド・オンライン

一生懸命、法律を学んだけれども身につかなかった。そんな経験を持つ人も多いかもしれません。「それは法律を覚えようとしていた」からではありませんか?法律を通じて得るべきものは知識ではありません。正義と公平のセンス(感覚)なのです。「リーガルマインド」と呼ばれるものがそれです。


 ある野球選手が「何百回、何千回もバッターボックスに立っているとストライクゾーンが自然に見えてくる」と言っていましたが、リーガルマインドは、たくさんの法律や条文を通じて身についた正義と公平のストライクゾーンの感覚です。


リーガルマインドを身につければ、物事を筋道立てて考えることができるようになりますし、多くの人が支持する結論を自然と導くことができるようになります。ただ漫然と法律を勉強していても、リーガルマインドは身につきません。リーガルマインドを養うには、まず、「楽しんで学ぶ」ということです。


 「法律は考えるゲーム」なのです。たとえば、好きな人ができて、少しずつお互いの距離が縮まっていく、そんなときの楽しさを思い起こしてください。好きな人の好みをあれこれ考えて先回りする楽しさ。これって、恋する者の喜びですよね。あれこれ考えて、選んだプレゼントが喜ばれる。自分までホクホクと嬉しくなる。実は、法律を理解するための読み解きも、これに似た楽しさと喜びを与えてくれるものなのです。

 そのとき、重要なのが、その法律が実現しようとする価値を考えることです。実現しようとする価値は何か、また、その法律はその価値をどのように実現しようとしているのかを考えることです。法律が実現しようとする価値から、それぞれの規定の意味を明らかにしていくことを「法律の読み解き」と呼んでいますが、この読み解きこそ、楽しく、リーガルマインドを手にいれるための方法なのです。


 法律を学ぶに当たって覚えておかなければならないことがあるとしたら、法律の条文の内容ではなく、法律を読み解くための基本的なルールなのです。法律の条文はその内容を正しく理解してもらうために、たくさんの「シグナル」を発しています。その「シグナル」をうまく拾うことができないようでは、法律を読み解くなんてできないからです。

「法令用語を踏まえて条文の構造を理解する」
「法律を4つの部分に分けて条文の位置付けを理解する」
「1条からその法律を大事にしている価値を押さえる」


 拙著、『法律を読む技術・学ぶ技術』では、このような「法律を読む技術」をお伝えしました。ここでは、誰も教えてくれない神スキルをお伝えします。それが「一般法と特別法との関係を見抜く」というスキルです。


 広く原則となる規定を一般法といいます。一方、特別な人、特別な時期、特別な地域についてなどに限って適用されるのが特別法です。一般法と特別法の区別はとても大切なのです。特別の必要があるから特別法が定められているのですから、特別法が定められている分野では、特別法が一般法に優先します。


 たまたま開いたページだけを読んでいても小説のストーリーはいっこうに理解できないでしょう。それと同じように、特別法も一般法を知った上でないと、ぜんぜん理解できません。特別法だけだと全体の取り出した一部分にすぎません。だから、その法律が一般法なのか、特別法なのか、また、特別法なら何についての特別法なのかがわかって読む必要があるのです。


 例えば、普通のお金の貸し借りの場合、特段、当事者で定めた利率がない場合には、民法で年5分(5%)と規定されています(民法404条)。ところが、商法では、商人の間でのお金の貸し借り(商法513条)や、商行為で生じた債務であるなら(商法514条)、年6分(6%)であると規定しています。この商法の規定が、民法の特別法に当たるというわけです。


 もっと大きな目で見てみると、民法は「一般人の間のルールを定めたもの」、そして商法では、とりわけ「商売のプロや、プロがやるような行為に関するルールを定めたもの」ということができます。その意味で商法自体が民法の特別法であるといえます。


 特別法は、ひとつの法律がまるごと特別法である場合ばかりではありません。ある法律の一部分だけに別な法律の特例が規定されているものもあります。この特例規定自体もやはり特別法ということができます。これを「見抜いて」、理解するのが大切になります。そうはいっても、どの法律やどの規定が特別法に当たるかはわかりにくい場合も多いものです。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160518#1463567949

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