中国海軍による演習は南部の海南島の沖合から西沙(パラセル)諸島一帯にかけての南シナ海の海域で今月5日から11日の期間中、行われています。
国営の中国中央テレビによりますと、演習には海南島を拠点とする南海艦隊に加えて、北海艦隊や東海艦隊の艦艇、合わせて100隻と、数十機の航空機が参加しているということです。中央テレビは8日行われた演習だとして、艦艇からミサイルや魚雷が発射される様子や、戦闘機の編隊飛行のもようなどを詳しく伝えました。
南シナ海を巡っては、中国がほぼ全域の管轄権を主張しているのは国際法上、認められないとしてフィリピンが申し立てた仲裁裁判の判断が、12日に示されることになっています。
中国政府は当事国どうしの協議で解決すべき問題だとして、仲裁裁判所のいかなる判断も受け入れない立場を取っていますが、この時期に大規模な演習を行う背景には南シナ海での領有権の主張を強めるとともに、国民に向けて、主権にまつわる問題で妥協しない強い姿勢を示すねらいがあるものとみられます。
中国国防省は、今回の演習は年度計画に基づく通常の演習だとしています。