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クリミアめぐりロシアとウクライナの緊張高まる | NHKニュース

ロシア連邦保安庁は１０日、おととしウクライナから併合したクリミア半島で、インフラの破壊を企てたとしてウクライナの工作員のグループを摘発し、その際に起きた銃撃戦などでロシアの軍の兵士と連邦保安庁の職員２人が死亡したと発表しました。これを受けてロシア大統領府は１１日、プーチン大統領が主要閣僚と軍や治安機関のトップを集めた会議を開き、クリミアでの安全対策を強化するよう指示したことを明らかにしました。
一方、ウクライナのポロシェンコ大統領も１１日、「ロシアによる挑発に備える」として、軍や治安機関に対して、クリミアとの境界付近やロシアが支援する親ロシア派との戦闘が続くウクライナ東部で即応態勢を整えるよう指示しました。また、欧米各国の首脳と相次いで電話会談をして現状を説明する方針を示し、危機を回避するためプーチン大統領との会談の可能性も模索したいとしています。
ウクライナ東部では、このところ政府軍と親ロシア派との間で砲撃の回数が増えていて、クリミアをめぐるロシアとウクライナの非難の応酬によってさらに緊張が高まっています。

クリミア半島をめぐりロシアとウクライナとの緊張が高まっていることについて、アメリカ国務省のトルドー報道部長は１１日の記者会見で、「非常に懸念している。緊張を拡大させるようないかなる行動も控えるよう求める。われわれは国際社会のパートナーと緊密に連携している」と述べ、緊張緩和を呼びかけました。そのうえで、「アメリカ政府はクリミア半島がウクライナの一部だという立場をとっており、国際社会も同じ認識だ」と述べ、ロシアによるクリミア半島の併合は認めない姿勢を改めて強調し、ロシア側をけん制しました。

クリミア問題 安保理でロシアとウクライナが非難の応酬 | NHKニュース

クリミア半島をめぐっては、ロシア政府が１０日、「インフラの破壊を企てた」として、ウクライナの工作員のグループを摘発したと発表したのに対して、ウクライナは「ロシアによる挑発に備える」として、国境付近で即応態勢をとる構えで、両国の間で緊張が高まっています。
こうした状況を受け、国連の安全保障理事会は１１日、ウクライナの要請に基づいて非公開の緊急会合を開きました。会合のあと、記者会見したウクライナのイェルチェンコ国連大使は、ロシアの主張は根拠がないと反論したうえで、「安保理では、１か国を除いて領土の保全を尊重すべきだという決意を確認した」と述べて、ロシアによるクリミア併合を改めて批判しました。
一方、ロシアのチュルキン大使は記者団に、「ウクライナが事態を悪化させないよう望む」としたうえで、「アメリカがウクライナ問題で安保理決議を採択しようとしているが、そうはならない」と述べ、この問題に欧米諸国が関与することを強くけん制しました。
ウクライナ東部では、このところ政府軍と親ロシア派との間で砲撃の回数が増えていて、クリミアをめぐる両国の非難の応酬によって対立が深まっています。