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ロシアによってクリミアを併合されたウクライナは、自国への返還を目指して、友好国の首脳などを招いた国際会議を初めて開き、ロシアに対して圧力をかけ続け問題の解決につなげるなどとした共同宣言を採択しました。

この国際会議は、ウクライナのゼレンスキー大統領が、ロシアによって7年前に併合されたクリミアをめぐる国際社会の関心を高め、返還につなげようと、23日、首都キエフで初めて開きました。

ウクライナ政府によりますと、ポーランドやバルト3国など友好国の首脳をはじめ、日本の大使など合わせて40以上の国と国際機関の代表が出席しました。

会議ではゼレンスキー大統領が「きょうからクリミアの解放に向けてカウントダウンが始まる」と演説し、アメリカを代表してグランホルム エネルギー長官も「ロシアのクリミア併合を非難する」と応じました。

会議では「クリミアの一時的な占領を終わらせるため、ロシアに対して圧力をかけ続ける」などとした共同宣言を採択するとともに、「クリミア・プラットフォーム」と呼ばれる枠組みを立ち上げ、国際社会が問題の解決に向けて継続して取り組んでいくことを確認しました。

ただ、ゼレンスキー大統領は会議に先立って「ロシアを恐れている国も多い」と述べるなど、首脳ではなく代理の出席が目立つ結果となりました。

この会議について、ロシア大統領府のペスコフ報道官は「極めて非友好的なイベントだ」と述べて強く反発しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領が今回の国際会議を開催した背景には、南部クリミアがロシアに併合されて7年がたち、ロシアによる統治が既成事実化されていることへの危機感があります。

ことし春にはクリミアのほか、東部の国境地帯でロシア軍が部隊を増強して、一時、衝突の懸念が強まるなど、ウクライナ政府は隣国ロシアの脅威が一層高まっているとみています。

ゼレンスキー大統領としては、会議をきっかけに、国際社会がロシアに対する圧力を再び強め、クリミアの返還につなげたい考えです。

ゼレンスキー大統領は今月、地元テレビ局のインタビューで「クリミアはロシアに占領されても、ロシアの領土になることは決してない。クリミアはウクライナの領土だ」と強調しました。

一方、クリミアで暮らす少数民族のクリミア・タタール系の人たちも、現地の状況に危機感を募らせています。

5年前、妻と3人の子どもを連れてウクライナの首都キエフに逃れ、避難生活を送っているというアイバス・ベキロフさんは、クリミアでは、自分たちの独自の言語や文化を教える学校、それに文化施設がロシアの当局によって次々と閉鎖に追い込まれるなど、クリミア・タタールへの弾圧が続いていると訴えています。

ベキロフさんは「クリミアではロシアの国旗を掲げる人しか暮らせない。私の友人も今の統治に反対して拘束された。今回の国際会議はクリミアを取り戻す第一歩だ。これをきっかけに、クリミアは私たちの土地だということを改めて思い起こしてほしい」と話していました。

ゼレンスキー大統領は、今月31日にはアメリカのワシントンでバイデン大統領との初めての首脳会談に臨む予定にしていて、ロシアとの関係改善にも取り組むバイデン大統領に対して直接、協力を求めたい考えとみられます。

ロシアのプーチン政権は、ウクライナ南部のクリミアの併合は、地元の住民投票の結果による合法的なものだという立場で、ウクライナの返還要求に応じる意思はありません。

クリミア併合から7年となったことし3月には、プーチン大統領がクリミアに住む住民の代表とオンラインで会議を開き、ロシア政府が開発に一層力を入れていく姿勢を強調しました。

ウクライナがクリミアの返還を目指して国際会議を開催した23日には、ロシアのモスクワ郊外で、ロシア国防省が主催する兵器の展示会のほか、戦車の操縦技術などを競う国際大会が開催されました。

中国やイランなど40か国余りから合わせて5000人以上が参加し、開幕式に出席したプーチン大統領にとっては、ロシアの軍事力や友好国との連携強化をアピールする場にもなりました。

そのロシア軍は、ことしの春、ウクライナとの国境地帯やクリミア半島で部隊を増強し、両国の間で一時緊張が高まりました。

プーチン政権としては、ロシアへの経済制裁を続ける欧米とのさらなる関係悪化は避けたい一方、クリミアについては譲れない一線ととらえていて、ウクライナが初めて開いた国際会議に対して強く反発しています。

ロシア政府系のシンクタンク「ロシア国際問題評議会」会長のアンドレイ・コルトゥノフ氏は「ロシアの指導部は、クリミアの問題はすでに決着済みという立場だ」と述べ、ウクライナ政府がクリミアの返還を目指して国際社会に訴えかける動きに、プーチン政権がいらだちを募らせているという見方を示しました。

ロシアが、ウクライナ南部のクリミアを併合したことなどで、ロシアとウクライナの両国が対立を深める中、プーチン大統領は先月、ロシア人とウクライナ人の歴史的な一体性を主張し、ウクライナをロシアの勢力圏に取り戻したいという強い意向をにじませた論文を発表しました。

これについてコルトゥノフ氏は「プーチン大統領は自分の考えをより完全に、詳しく反映させたかったのだろう」と述べ、ロシア系住民が多いウクライナ東部の人々へのメッセージにもなっていると分析しました。

一方、ウクライナをめぐるアメリカのバイデン政権の姿勢について、コルトゥノフ氏は「当初はウクライナへの経済的・軍事的支援が急速に拡大するとみられていたが、今のところ両国関係に大きな変化はみられない」と述べました。

そして「バイデン政権は、ウクライナの問題はフランスやドイツが主導し、ロシアに圧力をかけるべきだと考えている」と述べ、アメリカはウクライナに積極的に介入することで、ロシアと決定的な対立を招くことは望んでおらず、クリミア問題はこう着状態が続くという見方を示しました。

#反ロシア#対中露戦

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