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ドーナツ戦争、コンビニの攻勢受けるミスドの運命は|DOL特別レポート|ダイヤモンド・オンライン

「当面の売り上げ目標600億円」――。


セブン-イレブンが15年、ドーナツ市場参入にあたって掲げた目標だ。セブンの店舗数は1万8000店だから、セブンのドーナツ「セブンカフェドーナツ」は1日1店あたり90個を販売しないと目標に届かない計算。だが、関係者によるとスタート当初は「1日1店あたり100個程度を販売していたようだが、その後は落ち着き15年度(2016年2月期)は400億円程度で着地したようだ」といい「まだ目標の600億円までは達していないのではないか」とみる。

 運営会社のダスキンの決算によると、「ミスド」のチェーン全店売上高の推移は14年3月期が1030億円、15年3月期が1020億円、16年3月期は前期比10.3%減の915億円となった。ミスドを中心としたフードグループの営業損益は15年3月期に約2億円の赤字だったが、16年3月期は約14億円に拡大、また17年3月期第1四半期(16年4〜6月期)も赤字が続いており歯止めがかかっていない。


 決算数字を見ると、明らかにコンビニがドーナツ市場に参入した15年から業績が悪化していることが分かる。損益もドーナツの値下げなどで収益を圧迫している様子がうかがえる。

 しかし、よくよく考えてみれば、ミスドは拡販費が増加しているとみられるし、急速な売上高の減少で利益も減少しているようだが、セブンがドーナツで400億円を達成しているならばミスドの売上高はもっと食われていてもいいはず。


 ところが、ミスドの16年3月期の売上高自体は15年3月期に比べ100億円程度の落ち込みで、前期比で200億円も、300億円も減っている訳ではない。つまり市場自体が縮小したのではなく、セブンが400億円以上の売り上げを獲得、それに他コンビニの売り上げを加えればドーナツ市場はむしろ拡大している格好だ。

セブン-イレブンのレジ横にある「おでん」。年間の売上高は三百数十億円程度とされており、すでにドーナツの売上高は、何十年と販売してきたおでんの売り上げも上回っている。おでんは什器の定期的な洗浄や、商品やつゆの補充など、メンテナンスが必要で維持コストがかかる。


 しかし、ドーナツはベンダーから納入され、専用のケースに収納してから12時間以内に売る体制を敷いている。一旦、ドーナツ用のケースに入れてしまえば、それほどメンテナンスはいらない。なによりコンビニにとっては利益率が高く本部、加盟店にとってウィンウィンの商材だ。

 今や、年間約900億円の売上高を獲得したセブンの入れたてコーヒー、「セブンカフェ」。しかし、これも「失敗が続き試行錯誤の連続だった」とセブン関係者は明かす。当初のコーヒーマシン導入から、数回にわたりマシンを改良、今の形にたどりついたといわれる。


 セブンでは現在、この入れたてコーヒーがドル箱商品になっており、1日1店あたりの売上高である平均日販が他チェーンよりも10万円以上多い65万円を達成する牽引役となっている。セブンではコーヒーと相性の良い商品との合わせ買いを狙っており、「ドーナツは是が非でも軌道に乗せろ」と厳命が下っているのは容易に想像がつく。諦めないで成功するまでやり続けるのがセブンの戦法だ。

ミスドでは逆に海外のコンビニ店舗で「ミスド」の専用ケースを設置し、ドーナツの販売に乗り出すなど、国内のコンビニの逆手をとった戦略も始めている。

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160506#1462531115
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20160429#1461926624