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トランプ大統領は、19日午後、日本時間の20日朝早く、就任後初めての外国訪問のため、首都ワシントン近郊のアンドリュース空軍基地を専用機で出発しました。


大統領は出発前、みずからのツイッターに「いよいよ重要な外国訪問が始まる。アメリカの国益をしっかりと守る」と書き込み意気込みを示しました。


訪問は1週間余りの予定で、中東のサウジアラビアイスラエルを訪れた後、ヨーロッパに移動し、バチカンとベルギー、それにイタリアを訪問します。


最初の訪問先のサウジアラビアではサルマン国王と会談するほか、イスラム諸国の首脳が出席する国際会議で演説を行う予定です。また、続くイスラエルでは、中東和平の再開に向けて力を注ぐ姿勢を強調すると見られます。


1981年に就任したレーガン元大統領以降、歴代の大統領は就任後、最初に隣国のカナダかメキシコを訪れていて、中東を訪れるのは異例と言えます。トランプ大統領はまず中東を訪れることで、オバマ前政権の下で冷え込んだ中東の同盟国との関係を立て直し結束を強化したい考えです。


今回の訪問は、アメリカ国内で去年の大統領選挙でのトランプ陣営とロシアとの関係をめぐる疑惑への追及が強まるなかでの訪問となります。トランプ大統領としては初めての外国訪問で成果を示すことで批判の矛先を少しでも和らげたいものと見られ、トランプ大統領の動向が注目されています。


トランプ大統領は19日、就任後初めての外国訪問のためワシントンを出発し、サウジアラビアイスラエルバチカンを訪れたあと、ベルギーでNATO北大西洋条約機構の首脳会議に、イタリアではG7=主要7か国の首脳会議に出席する予定です。


これについてトランプ大統領はビデオ演説で「私はアメリカの人々にとって歴史的に重要な訪問を始める。古くからの友好関係を強化し、新たな協力関係を構築して、テロとの闘いで世界を結束させるため多くの異なる国々の指導者を訪ねる」と述べました。


そのうえで「私は就任演説で常にアメリカ国民を第一にすると誓い、われわれのパートナーは財政的に貢献しなければならないと言った。彼らは協力しなければならない」と述べ、アメリカ第一主義のもと各国に公平な負担を求める考えを示しました。


トランプ大統領としてはロシアとの関係をめぐる疑惑への追及が強まる中、初めての外国訪問で成果を出すことで批判を和らげたい狙いもあるものとみられます。


アメリカの有力紙「ニューヨーク・タイムズ」は19日の電子版で、トランプ大統領が今月10日にホワイトハウスでロシアのラブロフ外相などと会談した際、FBIの長官だったコミー氏を前日に解任したことに触れ、「彼は頭がおかしい変人だった」と批判していたと伝えました。


そのうえで、トランプ大統領が「私は重圧に直面していたが、取り除かれた」と述べ、コミー氏を解任したことで、トランプ陣営とロシアの関係をめぐる捜査からの重圧が和らいだと説明していたと報じました。


これに対し、ホワイトハウスのスパイサー報道官は声明を出し、「コミー氏は捜査を政治化し、われわれのロシアとの交渉に不必要な圧力をかけた。解任で捜査が終結したわけではない」と反論しましたが、解任は捜査妨害が目的だったとする批判が強まりそうです。


一方、「ワシントン・ポスト」は、トランプ大統領に近いホワイトハウスの高官が捜査の重要な参考人に浮上したと報じ、「捜査が政府の上層部に迫っていることを示している」と指摘しました。


また、議会上院の委員会はコミー氏が公聴会で証言することに同意したと発表し、真相解明につながるのか注目されます。


トランプ大統領は20日午前、サウジアラビアの首都リヤドに到着し、出迎えたサルマン国王と笑顔を浮かべながら握手し、言葉を交わしました。


去年4月に当時のオバマ大統領がサウジアラビアを訪れた際、出迎えたのは地元の州知事で国王は空港に姿を見せず、イランとの核合意を推進したオバマ政権に対するサウジアラビア側の不満の表れと受け止められただけに、今回は歓迎ぶりが際立っています。


トランプ大統領はこのあと、サルマン国王と首脳会談などを行い、オバマ前大統領のもとで冷え込んだ同盟関係の立て直しを図りたい考えです。そして翌日には、GCC=湾岸協力会議に加盟する国々の首脳と意見を交わすほか、50か国を超すイスラム諸国の指導者が参加する会議で演説することになっています。


ホワイトハウスの高官は、最初の訪問国にサウジアラビアを選んだことについて、「中東地域の正真正銘のリーダーだ。この場所からイスラム社会全体に対してメッセージを発信する」と述べています。


トランプ大統領としては、今回の訪問で同盟関係を立て直し、サウジアラビアアメリカの中東政策の要としての役割を期待するとともに、過激派組織や、政治面や軍事面で中東地域に影響力を強めるイランに、イスラム諸国と連携して対抗するメッセージを発信したい考えです。