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 そもそも、人はどういう相手に対して「あの人は賢い」「賢そうだ」と瞬時に感じるのでしょうか。マッキンゼーをはじめ、多くの優れたビジネスパーソンを見て私が感じることは、次の3つに集約されます。


(1)空気を読まない
(2)「そもそも」を語れる
(3)一言でまとめられる


 こんな人に出会ったとき、私たちは「賢そうだ」と感じると思うのです。


 なぜそう感じるのか、一つひとつ説明していきます。

 講義の中の一つに、ある実在の企業が為替戦略をどうすべきだったのかという議論がありました。教授の説明する手法に対して、生徒全員に挙手で賛否が問われたのですが、私は「教授の意見に反対」のほうに挙手しました。


 挙げてみて気づいたのですが、なんと反対に手を挙げたのは私だけでした。私は内心「しまった。私だけ間違っていた。しかも相手は世界で最も称賛されている経済学者。恥ずかしい……」と感じましたが、ときすでに遅しでした。


 しかし、そのあとラジャン教授が皆に言ったことには驚きました。


「見たまえ、これこそが真のリーダーシップだ。相手が多数だろうと、教授だろうと、自分が正しいと思うことを主張できる。これがリーダーに必要な資質なのだ。先ほど私が説明した内容は絶対的に正しいものではない。反対意見にも合理性がある。現実問題とはそれほど判断が難しいものだ」

 ですので、こういう場合、まずは問題を分解、整理します。

 こういう感じで、まずは相手の言葉を受けて問題を解きほぐすのです。こうして議論の土台をつくります。問題を整理した後で、初めて自分の意見を語ります。

 このように、議論を整理したうえで、「空気を読まずに」思うところを存分に語るのです。

「一言でまとめる」というのは、抽象化をする作業です。

「教養」という言葉を知らない人は、ほとんどいないと思います。しかし、「教養とは何かを語れ」と言われて、すんなりと答えられる人は少ないのではないでしょうか。答えられても、「教養って、哲学や文学や、あと宇宙とかプログラミングの知識とかも含まれるよね……」など、とりとめのない説明に陥りがちです。


 それを池上氏は「教養とは、自分を知ること」と端的に言い切ります。