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野中 組織的に知識を生み出すためのSECIモデルには、「共同化(Socialization)」「表出化(Externalization)」「連結化(Combination)」「内面化(Internalization)」の4つのプロセスがあります。

野中 SECIモデルの4つの各プロセスを、定量的に計測できるように設計しました。それぞれどのくらい実践できているか、5段階の簡単な尺度で点数化してもらったわけです。


 僕の仮説では、暗黙知形式知化する「表出化」のプロセスと、形式知暗黙知化する「内面化」のプロセスがカギだと考えていました。


武田 暗黙知から形式知形式知から暗黙知という変換点が重要だと。


野中 ええ。ところが実際にやってみると、たとえその2つのスコアが高くても、必ずしも知識が創造されるわけではありませんでした。そして、いちばん重要なのは共同化(Socialization)だということがわかったんです。

野中 エーザイの内藤社長は、最初から「カギは共感、つまり『共同化』のプロセスにある」と言っていました。組織の中に共感を生み出すことこそが大変なのだと。しかし僕は、理論を組み立てていた当初、そこまでは気づいていなかった。


 実は知識創造理論は、こんなふうに実践によって教えられたことから改良を施して、毎年少しずつ進化しているんですよ。「ここはちょっと間違っていたな」とわかったら、みんなが気づかないうちに直しちゃおうと思って(笑)。

野中 相互主観性がカギになると考えています。これは、現象学の専門家である山口一郎教授から教わったことですが、最初にあるのは意外にも自分自身の主観ではなく、「我-汝(I-Thou)」という、相手と主客未分で共有されている、相互の主観性なんですよね。共感が先にあるのです。


 現象学では、「我-汝(I-Thou)」状態の源泉を親子関係に求めるんですよ。


武田 たしかに母親と赤ちゃんは、相手と自分の境目が曖昧な感じで共鳴し合っていますよね。


野中 そう、言語を媒介せず、共振、共感、共鳴しているのが母子関係。感性が総合化されているのです。


 それがだんだんと言語が発展してくると、自我が生まれ、主体と客体が分離していく。「我-汝(I-Thou)」が、「我-それ(I-It)」になっていくわけです。


武田 徐々に知性が発達していくんですね。

野中 さらに、第3段階として、感性と知性が総合された「無心・無我の相互主観性」という状態がある。その状態に至るには、人間として相手と全身全霊で向き合わなければいけません。


武田 仏教哲学者の鈴木大拙氏が紹介する、仏教の「禅」のような境地ですね。


野中 マイケル・ポランニー氏が暗黙知について書いた著作は『Personal Knowledge』というのですが、これを日本語では「個人的知識」と訳してしまっている。これは間違っていると僕は考えています。本当は、「人格的知識」と訳すべきでしょう。


武田 全人格をもって、相手と向き合うことが大事である、と。


野中 それができたときに、無心・無我の相互主観性が成立することがある、と考えられています。「私の主観」を「我々の主観」に変換するわけですね。


 ここがカギなのですが、2人でお互いにピンときたことが、創造性の原点になるのです。


武田 「ピンとくる」というのは、言葉にはできないものなんですね。


野中 そうです。それを共有するためにあったのが、ホンダの「ワイガヤ」というコミュニケーションの場です。


野中 プロジェクトチームが結成されると、そのメンバーで温泉なんかに行って、三日三晩飲むんですよ。初日は個のぶつかり合いで、上司の悪口なんかも出てきます。


 でも、だんだん自己中心的な殻がとれて、「何のためにこれをやっているのか」「そもそも何のために自分たちはいるのか」と、存在論にまで話が深まってくる。全人的に向き合うしかなくなってくるわけです。


武田 なるほど……まさに共振、共感が生まれてくる状況になるわけですね。


野中 その共感の中から、本当に自分たちがやりたいことは何か、という暗黙知が出てくる。うまくいけば、3日目には感性と知性を総合した相互主観性の状態に至ることができ、飛躍的な知識創造が可能になります。

武田 はい、さまざまな工夫や改良をすることで、オンライン空間でも共感を生み出すことが可能だということは、私どものデータ分析の結果からも言えることです。


 最初は、遠隔にいるコンピュータユーザー同士で、同じ部屋にいる感覚をつくるにはどうしたらいいのだろう、と考えたんです。そのカギになったのは、“部屋”というメタファーでした。


 ユーザーインターフェースを工夫することで、「部屋に入る」「部屋で話す」というイメージをユーザーに与える。そうすると、たしかに同じ部屋にいるような感覚を覚えたのです。


 そうして、関係性が生まれた後でリアルでも会う機会をつくります。これはもう、格別なものがあります。お互いすぐにニックネームで呼び合う仲になれるんです。

村山 彩希(AKB48 チーム4) - SHOWROOM(ショールーム)

りんごとあやかのトーク | 755

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20170907#1504780300(私が社会に出て最初に所属した「財務省」という組織は、驚くほど「家族的」だった。)
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20170829#1504004046
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20170822#1503399327
http://d.hatena.ne.jp/d1021/20170726#1501065500(「俺とキミとの距離感だったらこのギャグも許されるでしょう」みたいな。)

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20150902#1441190482(家庭や学校ですべきことを会社に肩代わりを求めるのは無理があり、もし、会社がそれをすれば、パワーハラスメントでしょう。)

http://d.hatena.ne.jp/d1021/20121102#1351870528(人間関係をつくるには、適切な距離感を持つことが重要です。)

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