クルド人住民投票 イランが反発 空路遮断し軍事演習も #nhk_news https://t.co/1NIqcPSCtr
— NHKニュース (@nhk_news) 2017年9月24日
イラク北部のクルド自治政府では、日本時間の25日、独立の賛否を問う住民投票が行われますが、イラク中央政府は国の分断につながるなどとして激しく反発しています。
この住民投票に先立ち、隣国のイランは24日、イラク政府の要請を受けてクルド人自治区との間の空路を遮断し、直行便の往来を認めないなどの対抗措置をとったと発表しました。
また、国営テレビは、イランの精鋭部隊、革命防衛隊がイラン北西部のクルド人自治区との国境沿いで軍事演習を行ったと伝えています。
イランでは西部の地区に多くのクルド人が居住していることから、クルド自治政府が住民投票を強行すれば自国のクルド人の分離独立の動きを刺激しかねないとして住民投票に反対しており、空路の遮断や軍事演習を行い、けん制したものと見られます。
また、イランのロウハニ大統領はトルコのエルドアン大統領と電話会談し、イラン国営テレビによりますと、両首脳はイラクを分断させないことが重要だとして懸念を共有したということです。
住民投票の動きに対して、イラクの隣国トルコも今月18日、クルド人自治区と接する国境近くで軍事演習を開始したと発表するなど、クルド人を抱える周辺国でも反発が強まっています。
イラク政府 クルド自治政府への圧力強化へ #nhk_news https://t.co/fbaveeuoCa
— NHKニュース (@nhk_news) 2017年9月25日
イラクのアバディ首相は24日、安全保障を担当する閣僚会議を開き、25日、日本時間の25日午後始まるクルド自治政府による住民投票への対応を協議しました。
会議のあとイラク首相府が出した声明によりますと、今回の住民投票はイラクの憲法に反し、国の安全と安定を危険にさらすと非難したうえで、クルド自治政府が行ってきた自治区の国際空港や国境での出入国管理を中央政府の管轄に移すようクルド側に要求しました。
また、石油はすべての国民の富だとして、周辺国などに対し石油関連の取り引きはクルド側と直接行わず、中央政府とのみ行うよう求めていくと発表しました。
さらに、会議では、検察当局に対し、住民投票の停止を命じたイラクの最高裁判所の決定に反して住民投票の手続きを進めたすべての公務員を捜査するよう求めました。
イラク政府が声明の内容を実行に移そうとすればクルド側との衝突に発展するおそれがあり、どれだけ実行できるかは不透明ですが、アバディ首相としては、イラクの分裂につながりかねない住民投票は断固認めず、圧力を強めていく姿勢を示した形です。