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トルコのエルドアン大統領は今月12日、隣国のシリア北部を実効支配しているクルド人勢力に対する軍事作戦を数日以内に始めると表明しました。

これに対して、クルド人勢力を支援して後ろ盾になっている、アメリカの国防総省は「アメリカ軍が周辺に展開している可能性があり重大な懸念だ。容認できない」という声明を出しています。

エルドアン大統領は14日、アメリカのトランプ大統領と電話で会談し、クルド人勢力がトルコにとって、安全保障上の脅威になっていると直接、伝えました。

会談に先立ってイスタンブールで演説したエルドアン大統領は、アメリカと合意したにもかかわらず、シリア北部の町マンビジからのクルド人勢力の撤退が進んでいないと不満を表明しました。

そして、状況が変わらないならば、トルコ軍をマンビジに侵攻させると述べ、対決姿勢をあらわにしました。

トルコ軍は前日の13日には、シリアのクルド人勢力とつながるイラククルド人勢力への空爆を実施しています。

アメリカとの間で緊張が高まっても、クルド人勢力への対応では一切妥協しない構えを強調する狙いがあるものとみられます。

この電話会談について、アメリカ・ホワイトハウスのサンダース報道官は14日、声明を出し、両首脳はシリアでの安全保障上の懸念やテロとの戦いなどについて協議したことを明らかにしました。

そのうえで「両首脳はシリアで安全保障上の目的を実現するために、引き続き協力することで一致した」と述べました。

アメリカはシリアで過激派組織IS=イスラミックステートを掃討するため、クルド人と協力し後ろ盾になっています。

アメリカは、トルコが軍事作戦に踏み切らないようけん制していますが、地域で影響力を持つトルコと緊張が高まるのは避けたいという思いもあり難しい対応を迫られています。

一方、トルコ軍がイラク空爆を実施したことに対し、イラク外務省は14日、バグダッドに駐在するトルコの大使を呼んで抗議しました。

イラク外務省は声明を出し、「トルコ軍機がイラク領空を侵犯し、北部のシンジャルとマフムールの数か所を爆撃して、市民の生命と財産を失わせたことを非難する。イラクの主権の侵害であり、受け入れられない。また、隣国をおびやかすための基地や通過点にイラク国内が利用されることをわれわれは改めて拒否する」としています。

https://d1021.hatenadiary.jp/entry/2018/12/13/200320(トルコ シリアでの軍事作戦範囲拡大へ クルド人勢力攻撃で)