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トルコによるシリア北部での軍事作戦を受けて過激派組織IS=イスラミックステートの復活が懸念される中、アメリカ国防総省はシリア北部から部隊を撤退させましたが、ISから油田を守るため東部に新たに部隊を展開させる方針を示しています。

これに対してロシア国防省は26日、声明を発表し「シリアの資源は、すべてシリアのものだ。アメリカがシリア東部でやっていることは、油田の占領であり、国家による強盗行為だ」と厳しく非難しました。

声明に合わせてロシア国防省は、シリア東部の油田地帯で原油の運搬車両が活動している様子を撮影したとする衛星写真を公開し、アメリカの民間軍事会社や情報機関の口座に、利益が振り込まれている」と主張しました。

そのうえで「ISの戦闘員など、荒唐無稽な作り話だ」として、アメリカが、ISの脅威を理由にシリア東部にとどまろうとしていると強く反発しています。

ロシアは4年前にシリア内戦に介入して以来、アメリカ軍に対してシリアから全面撤退するよう求めています。

トルコは国境地帯からクルド人勢力を排除するためとして、今月9日から隣接するシリア北部で軍事作戦に乗り出しましたが、クルド人勢力が実効支配していた国境沿いの町から撤退の動きが確認できたとして23日から恒久的な停戦に移行しています。

しかし、トルコと協力する勢力とクルド人勢力との間で散発的な衝突が続いていて、双方は相手が仕掛けた攻撃に対し自衛のため反撃をしていると主張しています。

現地の情報を集めている「シリア人権監視団」によりますと、26日に、国境の町 ラス・アルアインとタルタマルを結ぶ道路周辺で激しい衝突があり、双方合わせて15人が死亡したということです。

トルコのエルドアン大統領はロシアとの間で合意したクルド人勢力の撤退が期限となる2日後までに完了しなければ軍事作戦を再開すると警告していて、状況しだいでは対立の激化が懸念されます。

イラクでは、ぜい弱な公共サービスや高い失業率に対する国民の不満を背景に、アブドルマハディ首相が就任してからちょうど1年を迎えた25日から首都バグダッドや南部の都市などで反政府デモが続いています。

2日目となる26日、南部のナシリーヤではデモ隊の一部が建物に火を放つなどして暴徒化し、イラク人権委員会によりますと、これまでにデモ隊と治安部隊の隊員ら合わせて63人が死亡し、2592人がけがをしたということです。

イラクでは、今月上旬にも反政府デモが起き、およそ1週間の間に157人が死亡しています。

アブドルマハディ首相は失業手当の給付や、首相や議員の給与削減などの対策を表明していますが、デモ隊は政府の腐敗体質を批判して首相らの辞職を求め、双方の暴力の応酬が続いていて事態の悪化が懸念されます。

こうした中、安定した国づくりを支援するためイラクに駐在する国連イラク支援団は26日声明を出し、「新たな暴力の連鎖に後退するわけにはいかない」と強い懸念を示したうえで、政府とデモ隊に対し、対話などを通じて事態の打開をはかるよう呼びかけています。

アメリカのニューズウィークなど複数のメディアは26日、関係者の話として、アメリカ軍の特殊部隊がシリア北西部のイドリブ県で現地時間の26日、過激派組織ISの指導者バグダディ容疑者を標的にした軍事作戦を実施したと伝えました。

バグダディ容疑者はこの作戦で殺害されたとみられ、アメリカ軍が確認作業を進めているということです。

トランプ大統領は26日夜(日本時間27日午前)、ツイッター「とても大きなことが起きた!」と投稿したほか、ホワイトハウスは27日午前9時(日本時間27日午後10時)からトランプ大統領「重大な発表をする」としており、バグダディ容疑者に関する何らかの発表がある可能性があります。

バグダディ容疑者をめぐっては、2017年に死亡説が出たものの、その後、たびたび本人のものとされる音声がインターネット上に投稿されていて、ことし4月にはISが、バグダディ容疑者だとする人物が攻撃を続けるよう呼びかける動画を投稿していました。


シリア北部では、軍事作戦を行っていたトルコが、敵対するクルド人勢力が国境沿いの町から撤退する動きが確認できたとして23日から恒久的な停戦に移行していますが、トルコと協力する勢力とクルド人勢力との間で散発的な衝突が続き、26日の衝突では双方合わせて15人が死亡しました。

こうした中、北部で26日、アメリカ軍とロシア軍の軍用車両が、それぞれの国旗を掲げながら走行する様子が目撃されました。

この地域では、アメリカ軍はトルコによる軍事作戦を前に部隊を撤退させ始めた一方、ロシア軍はトルコとの合意に基づいてアサド政権の部隊とともに国境沿いをパトロールするため、23日から部隊を展開しています。

目撃されたアメリカ軍は、アメリカ政府がクルド人勢力が実効支配する油田を過激派組織IS=イスラミックステートから守るとしてシリア東部に新たに部隊を展開させる方針を示していることから、この地域へ向かっていたものとみられます。
こうした対応に、ロシアはアメリカがISの脅威を名目にシリアにとどまろうとしていると強く反発していて、シリアをめぐる状況が複雑化しています。

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