https://d1021.hatenadiary.com
http://d1021.hatenablog.com


アメリ国務省のナウアート報道官は12日、声明を発表し、ユネスコに脱退の意向を伝えたことを明らかにしました。そして、「ユネスコは反イスラエル的だ」と指摘するとともに、抜本的な組織改革が必要だという考えを強調しました。


さらにナウアート報道官は、記者会見でも「ユネスコが政治から距離を置くことを望む。反イスラエル的な偏見を持つべきではない」と述べ、ユネスコが政治的な中立性を欠いているとして、批判しました。


ユネスコはことし7月、ヨルダン川西岸にあるヘブロン旧市街をパレスチナ世界遺産に登録することを決定し、パレスチナと対立を続けるイスラエル側が、ユダヤ教との関わりが無視されていると強く反発していました。


ユネスコを巡ってアメリカは、政治的に中立の立場が保たれていないなどとして1984年に脱退し、2003年に復帰しましたが、その後、2011年に、ユネスコパレスチナの正式加盟を認めたことに反発し、オバマ前政権が分担金の拠出を凍結していました。


分担金の拠出を凍結して以降、アメリカの滞納の額は5億4000万ドル余り、日本円で600億円余りに膨らんでいて、ナウアート報道官はこのことにも、脱退の判断に影響を与えたことを認めました。


アメリカがユネスコを正式に脱退するのは、来年の12月31日で、それ以降はオブザーバーとして関与を続けるとしていますが、トランプ政権は、ユネスコに抗議の意志を示し、同盟国イスラエル寄りの姿勢をより鮮明にしました。

イスラエルのネタニヤフ首相は12日、声明を出し、「勇気ある道徳的な決断だ」と歓迎しました。さらに、ネタニヤフ首相は「ユネスコは歴史遺産を守らず、不道徳な劇場と化している」と批判し、イスラエルユネスコを脱退するよう指示したことを明らかにしました。


一連の問題のきっかけは、パレスチナ暫定自治政府が、イスラエルとの和平交渉が行き詰まる中、国際社会に対して独立国家樹立の願いを訴えようとユネスコに正式な加盟を申請し、2011年に認められたことにさかのぼります。


当時、イスラエルアメリカは、パレスチナユネスコ加盟は、一方的な行動であり、和平交渉を阻害するものだと批判してきました。


その後、おととしにユネスコは、聖地エルサレムの管理をめぐり、アラブ諸国が提出したイスラエルに対する非難決議を採択したほか、ことし7月には、パレスチナの申請に基づき、イスラエルが占領下に置き、ユダヤ教の聖地もあるヘブロンの旧市街をパレスチナ世界遺産として登録しイスラエルは反発を強めていました。

アメリカは1948年、イスラエルが建国された際、最初に国家として承認し、対立するアラブ諸国に囲まれたイスラエルを一貫して支援してきました。アメリカでは、「イスラエル・ロビー」と呼ばれるユダヤ系の団体が政財界に強い影響力を持ち、特別な関係の国として、イスラエルに多額の軍事援助を続けています。


しかし、前のオバマ政権が、イスラエルが安全保障上、最大の脅威と捉えるイランと距離を縮め、ヨーロッパなどの関係国とともに核合意の協議を推進したことから、イスラエルはこれを公然と批判し、関係が冷却化しました。


一方、トランプ大統領は、去年の大統領選挙期間中、エルサレムアメリカ大使館を移転すると発言するなど、イスラエル寄りの姿勢を鮮明に打ち出しました。


その後も、パレスチナに対して強硬な姿勢の人物をイスラエル大使に指名したほか、イスラエルと将来的なパレスチナ国家が共存する「2国家共存」には必ずしもこだわらない考えを示しました。


さらに、トランプ大統領の娘婿のクシュナー上級顧問は敬けんなユダヤ教徒で、娘のイバンカさんも結婚を機にユダヤ教に改宗したことで知られています。


トランプ大統領は、イランの核合意について近く「認めない」とする判断を示すと伝えられていて、こうした背景にもイスラエルへの配慮があると見られています。


アメリカ政府が、国連機関のユネスコ=国連教育科学文化機関からアメリカが脱退する意向をユネスコ側に伝えたことを明らかにしたことについて、ユネスコ=国連教育科学文化機関のボコバ事務局長は12日、声明を発表し、アメリカのティラーソン国務長官から通知を受けたことを明らかにしたうえで、「アメリカの決定を極めて遺憾に思う」と述べました。


そして、「暴力的な過激主義やテロの脅威が高まる中で、長期にわたって平和や治安を確保し、人種差別と戦っていくことがより必要になっている」と指摘しました。


そのうえで、「2011年にアメリカがユネスコへの分担金の拠出を止めたあともわれわれは協力関係を深め、テロリストの攻撃に直面する人類共通の文化遺産を保護し、教育を通じて過激主義を防ぐ取り組みをともに進めてきた。それだけに決定は、ユネスコにとっても、国連が目指す多国間主義のためにも、損失だ」と述べて、アメリカが脱退の意向を示したことへの失望感をあらわにしました。


トランプ大統領は、オバマ前政権が導入した医療保険制度、いわゆるオバマケアの見直しを重要な公約の1つに掲げていますが、議会では、野党・民主党に加えて与党・共和党の一部の反対で、必要な法案が可決されず、暗礁に乗り上げています。


このため、トランプ大統領は12日、ホワイトハウス大統領令に署名し、みずからの権限で一部見直しに着手しました。


そして、「数か月のうちに、国民にもっと安心や自由を提供するため、新たな措置を取るとともに、議会に対し、オバマケアを撤廃して別の制度に代えるよう強く働きかけていく」と述べ、全面的な見直しを目指す考えを示しました。


さらに、ホワイトハウスは、オバマケアのもと低所得者の保険加入を支援するために保険会社に支払われている補助金を打ち切ると発表し、制度の根幹が揺らぐ可能性も出ています。


これに対して、民主党の全国委員会は声明を出し、「多くの国民の保険料が高くなり、保険を失う人も出るだろう。トランプ大統領は、意図的にオバマケアを混乱に陥れようとしている」と批判していて、反発が広がりそうです。


中国の税関総署の発表によりますと、先月の輸出と輸入を合わせた貿易総額は3680億ドルと、去年の同じ月よりも12.7%増えました。


また、輸出が1桁の増加にとどまる一方で、輸入は資源価格の上昇などから18%以上増加し、その結果、貿易黒字は284億ドルと、去年の同じ月に比べて30%余り減少しました。


ただ、アメリカとの貿易に限って見ると280億ドルの黒字となり、黒字額は去年の同じ月を13%近く上回りました。


アメリカのトランプ政権は、自国の貿易赤字の半分を占める中国に対して、アメリカの雇用や輸出を脅かしているなどと強い不満を示しています。


米中両国は、ことし7月に行われた閣僚レベルの経済対話で、貿易の不均衡を是正することで一致したものの、具体的な成果は表れていない形となり、来月予定されているトランプ大統領の中国訪問を控えて、アメリカ側の反発が強まることも予想されます。