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 ロシアのプーチン大統領が8日、APEC(=アジア太平洋経済協力会議)への参加を前に論文を発表し、日本などアジア各国との経済的な連携強化への意欲を示した。


 大統領府が発表した論文で、プーチン大統領は、ロシア極東を含むアジア太平洋地域の成長に期待を示した上で、FTAAP(=アジア太平洋自由貿易圏)の創設について、「ロシアの立場を強めるチャンス」だとして支持した。


 また、極東の発展を「21世紀の国家的な優先課題」だと指摘。日本や中国、韓国とのエネルギーネットワークや、サハリンと北海道をつなぐ輸送路の整備などを挙げて、「シベリア・極東地域とアジア太平洋地域との経済システムの統合に特に関心がある」と、アジアとの経済的な連携強化への意欲を示した。


ロシアは今週ベトナム・ダナンで開幕するアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を高く評価している。参加国が経済や社会、環境、文化のさまざまな問題について協議し、意見を調整する機会となるためだ。加盟国は政治的状況を問わず、合意と自発的参加、相互尊重、譲歩の意向といった原則に基づいて協力を目指す。これがAPECのパートナーシップ精神そのものだ。


  ロシアは、極東に潜在力の高い広大な領土を持つユーラシア大陸の大国として、アジア太平洋地域の未来の成功や、域内全体の持続可能的かつ包括的な成長促進に利害関係を持つ。われわれは開放性や相互利益、世界貿易機関WTO)の万国共通ルールといった原則に基づく効果的な経済統合が、この目標を達成するための第一の手段だと考えている。


  われわれはアジア太平洋で自由貿易圏を作る考えを支持している。これはわが国にとって実用的利益となるほか、急成長する域内の市場でわが国の地位を強化する好機になると考えている。ここ5年でAPEC諸国がロシアの貿易に占める割合は23%から31%、輸出に占める割合は17%から24%に増えているが、これにとどまるつもりはない。


  今年のAPEC主催国であるベトナムは、ユーラシア経済連合(ロシア、アルメニアベラルーシカザフスタンキルギスタン)と自由貿易協定(FTA)を締結した最初の国だ。この結果、わが国の貿易は大幅に拡大し、多様化も進んだ。同様の合意に向けた中国との協議も少し前に終了した。シンガポールとの協議も始まっているほか、東南アジア諸国連合ASEAN)とFTAを締結する可能性も検討している。


  運輸や通信、エネルギーを含む総合的なインフラ開発が、効果的な統合の基盤になるだろう。われわれはロシアと中国・日本・韓国を結ぶ「エネルギー・スーパーリング」や、サハリンと北海道をつなぐ輸送路など、2カ国間や多国間のインフラプロジェクトに取り組んでいる。


  われわれは今週の第25回APEC首脳会議でこうした話題について実質的な協議を行うつもりだ。われわれが共に行動することで、共有する地域の安定的かつ均整と調和の取れた成長を支援し、地域の繁栄を確保するという課題への解決策を見いだせると私は確信している。ロシアはこうした協力の取り組みへの用意が整っている。(ウラジーミル・プーチン露大統領)

原題:Russia’s Role in Securing Asia’s Prosperity: Vladimir Putin(抜粋)